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メンバーが強すぎて少頭数の天皇賞。
武豊の2年越しの逆襲は成功するか。

posted2018/10/27 07:00

 
メンバーが強すぎて少頭数の天皇賞。武豊の2年越しの逆襲は成功するか。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

なんとも調子がよさそうなマカヒキ。怪物復活の準備は整った。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 今週の第158回天皇賞・秋(10月28日、東京芝2000m、3歳以上GI)は、7頭のGI馬を含む超豪華メンバーが揃った。出走馬は過去10年で最少の13頭。勝ち目のない戦いを避けた陣営が多かったのだろう。

 天皇賞・秋が3200mから2000mに短縮された1984年以降、出走馬が最も少なかったのは'98年の12頭だった。稀代の快速馬サイレンススズカが出走した年だ。同馬はレース中に骨折し天に召されたが、メジロブライト、シルクジャスティス、ステイゴールドといった強豪との超ハイレベルな戦いが期待されていた。勝ったのは伏兵オフサイドトラップだった。

 その次に少なかったのは今年と同じ13頭で、'88、'94、2001年と3度あった。

 '88年はタマモクロス対オグリキャップの芦毛対決の初戦としてヒートアップしたときだ。意表をつく先行策をとったタマモがオグリの追い込みを封じた。

 '94年は芦毛の王者ビワハヤヒデが圧倒的に支持を集めていた。が、初めて連対を外す5着に敗退。屈腱炎だった。スピード馬ネーハイシーザーがここを制した。

 そして'01年。GIで1、2フィニッシュを繰り返していたテイエムオペラオーとメイショウドトウが出走していたが、「芝・ダート二刀流」のアグネスデジタルが完勝した。

 天皇賞・秋は、「勝つと種牡馬・繁殖牝馬としての価値が上がる」と言われている。それだけに出走を希望する陣営は多いのだが、これだけ強い主役がいると、やはり少頭数での戦いになるのか。

2世代ダービー馬、騎手、ディープ。

 ワグネリアンが体調が整い切らず回避したことにより、'08、'17年のジャパンカップに次ぐ史上3度目の「3世代ダービー馬対決」はなくなってしまった。それでもマカヒキ(牡5歳、父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)とレイデオロ(牡4歳、父キングカメハメハ、美浦・藤沢和雄厩舎)による2世代のダービー馬対決が実現する。

 マカヒキの鞍上は天皇賞・秋を最多の6勝している武豊、レイデオロは重賞騎乗機会4連勝、GI2連勝中のクリストフ・ルメールという「騎手対決」にも注目が集まっている。

 またこれは、父系と母系の「ディープインパクト対決」でもある。

 マカヒキはディープインパクト産駒。対するレイデオロの3代母がウインドインハーヘア。ウインドインハーヘアはディープの母である。つまり、レイデオロにとって、ディープは大叔父にあたるのだ。

【次ページ】 上向きのレイデオロ、期待のマカヒキ。

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