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女子ダブルスのメダル独占が象徴。
バドミントン日本勢対決が熱い! 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2018/08/13 08:00

女子ダブルスのメダル独占が象徴。バドミントン日本勢対決が熱い!<Number Web> photograph by AFLO

決勝で「フクヒロ」ペアを制し、この種目で日本勢として41年ぶりの金メダルを獲得した永原和可那(右)と松本麻佑。

“ナガマツ”はアジア大会に出ない。

 一方、今回の世界選手権で表彰台に届かなかった第一人者の高橋&松友組はどうか。2人は、日本にバドミントン界初の金メダルをもたらしたリオ五輪後、モチベーションの維持に苦しんでいるが、それでも世界ランクはほぼトップ3を維持しており、実力に疑いはない。

 朴柱奉ヘッドコーチは7月に行なわれた格付けの高いインドネシアオープン(スーパー1000)での試合内容について、「以前はネットプレーからのハーフ球が少なかったが、今はそれが良くなっている」と語り、リオ後も技術的に成長していることを見て取っている。

 また、5月に行なわれた女子の国別対抗戦ユーバー杯でキャプテンを務めるなど、女子全体を引っ張る立場にもなっている高橋は、「国内では負けることもあるけれど、海外勢が相手なら自分たちの方が勝っていけるという自信がある」と、強気を忘れない。

 世界選手権から帰国した後のメダリスト会見の席で、選手たちが次の主要大会であるアジア大会(8月18日~9月2日、インドネシア)の抱負を聞かれたときだった。永原&松本組が「私たちはアジア大会には出ないので」と話したことは、すでに発表されていたこととは言え、ハッとさせられる光景だった。

 アジア大会のバドミントン競技は、団体戦と個人戦(男女シングルス、男女および混合ダブルス5種目)の実施。団体戦は男女別でそれぞれ2複3単の試合形式で行われる。選手団は男女各10人。ランキングにより、永原&松本組はこの人数枠に入れなかった。

 今回の世界選手権ではリオ五輪金メダリストが日本選手の中で最も早く姿を消し、逆に、世界選手権の金メダリストがアジア大会の日本代表に入れない。非常に複雑なこの現象は、激しい競争の象徴である。

 楽しみでならない東京五輪。ただ、その舞台の前に待っているのは、かつてない熾烈な戦いである。

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