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連闘モズアスコット◎が大的中!
安田記念で矢作師を信じた根拠。

posted2018/06/04 11:30

 
連闘モズアスコット◎が大的中!安田記念で矢作師を信じた根拠。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

モズアスコットを先頭でゴールに導いたクリストフ・ルメール。マイル戦線に一躍スターホースが躍り出ることになった。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 連闘で臨んだ超良血の外国産馬が、オープン初勝利をGI初挑戦Vで飾るという離れ業をやってのけた。

 上半期のマイル王を決める第68回安田記念(6月3日、東京芝1600m、3歳以上GI)を、クリストフ・ルメール騎乗で9番人気のモズアスコット(牡4歳、父フランケル、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。昨年6月10日のデビューから1年足らずでマイル界の頂点に登り詰めた。連闘で安田記念を勝ったのは、1989年のバンブーメモリー以来29年ぶり。平成元年と平成最後の安田記念を連闘で出走した馬が制したことになる。

 最後の直線。ラスト200m地点で、戸崎圭太のアエロリットが内から先頭に躍り出た。外から、ミルコ・デムーロが騎乗する1番人気のスワーヴリチャードが追い上げてくる。

 この2頭で決まったと思われた次の瞬間、モズアスコットが凄まじい脚で伸びてきた。

 ゴールまで残り3完歩ほどのところで内のアエロリットをかわし、クビ差をつけてフィニッシュ。

 勝ちタイムはコースレコードタイの1分31秒3。上がり3ハロンはメンバー最速タイの33秒3というスピードと瞬発力を見せつけた。

ルメール「連闘の疲れはなかった」

 ルメールはこう振り返る。

「連闘の疲れはなかった。レース前は心配していましたが、返し馬をすると状態がよかったので安心しました。今日はGIでしたが、自信がありました」

 登録段階では除外対象だったため、前週、5月27日の安土城ステークスを使って(2着)からの連闘となった。陣営は、連闘がマイナスではなくプラスになるよう、丹念なケアをつづけた。矢作師は言う。

「先週追い切りをして、競馬を使わなければ、日曜日に少しやって、また当該週に追い切るという形になったはずです。でも、それでは安田記念までに状態を上げ切ることはできなかった。連闘したからこそ勝てたと思います。うちのスタッフの優秀さが証明されて嬉しいです」

【次ページ】 「短い間隔で使うのは日本一得意(笑)」

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