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ローマ、ミランにトルコ人が君臨!
進撃のウンデルとチャルハノール。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byGetty Images

posted2018/03/06 16:30

ローマ、ミランにトルコ人が君臨!進撃のウンデルとチャルハノール。<Number Web> photograph by Getty Images

世代別代表を経験してきたウンデルは'16年11月にA代表デビューも果たしている。佳境を迎えるCLでも台風の目になれるか。

エルドアン大統領からの激励が……。

 今、母国トルコを取り巻く国際情勢はきな臭い。強権のエルドアン大統領は、シリア侵攻によって西欧社会からの批判を浴びている。

 ウンデルの敬礼は、クルド人武装勢力との軍事衝突によって戦死した同胞のトルコ軍兵士たちを悼むもので、ウンデルはたちまち本国の愛国主義者たちのアイドルに奉られた。

 ローマ移籍が決まった際、ウンデルはエルドアン大統領から直に激励の電話をもらって祖国への忠誠心をより強くしていたが、イタリアにあっては若い彼が現トルコ政権のプロパガンダに利用されているのでは、という疑念も生じた。

 誤解と雑音を避けるため、25節ウディネーゼ戦以降、敬礼は封印した。だが、ウンデルは得点することは止めなかった。

「ここに来てから最初の数カ月は本当に苦しかった。ようやくイタリア語がわかるようになって、戦術的に求められていることが理解できるようになった。2月以降、自分が別人になった気分だよ」

 難敵シャフタールに逆転負けを喫したが、CLデビュー戦でも先制ゴールを奪った。サイドアタッカーとして覚えなければならないことはまだ山程あるが、伏し目がちで奥手気味だったウンデルはもういない。

チャルハノールを復調させたガッドゥーゾ。

 もう1人のトルコ人選手であるMFチャルハノールは、出自もキャリアもウンデルとはまったく異なる。

 しかし、昨夏のミラン入団以降、4歳年下のウンデル同様にチャルハノールも前半戦の不調に苦しんだ。

 前監督モンテッラの起用法が定まらず、筋肉系の故障に苦しみ、自分のプレーを見失った。チームは迷走し、一時は11位にまで順位を落とした。

 再起のきっかけは、昨年12月に就任したガットゥーゾ新監督だった。希望していた4-3-3の3トップ左に置かれたチャルハノールは水を得た魚のように正確なサイドチェンジで相手を崩し、右のFWスソとクロスを打ち合いながら、チームのゴールを手繰り寄せた。

【次ページ】 「まるで脚が4本あるようだ!」

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