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10年以上止まっていた改革が再始動。
プロ・企業共存のバレー新リーグ! 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2018/01/26 08:00

10年以上止まっていた改革が再始動。プロ・企業共存のバレー新リーグ!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

新リーグの名称と新ロゴマークの発表記者会見には清水邦広ら選手たちも出席した。

協会から、各チームに主催者が変わることの影響。

 来季よりスタートする新リーグの名称は「V.LEAGUE」と決まり当初、発表された「スーパーリーグ」という仮称からは変更となった。バレーボールの頭文字である「V」を入れたいという意見が多かったことが決定の理由のひとつである。

 古くからのファンにとっては馴染みの深い名称で落ち着く形となったが、“新しく生まれる”リーグというインパクトは正直、少ない。

 では新リーグの“売り”はなんなのか。

 日本バレーボール機構の嶋岡健治会長は語る。

「あまりお客さんには見えない部分なのですが、収益構造が大きく変わります。これまで都道府県バレーボール協会に譲渡していた主管(開催権利)がチームへ移ることがいちばんの目玉でしょう。それによって、チームで実現したいことが可能になります。

 観客が増えれば入場料収入も増え、各会場のスポンサー料などがチームの財源になります。ホームゲームを自分たちの事業にしてほしいということです」

企業チームとプロチームの綱引きで改革が進まず。

 現在、Vリーグには企業を母体とする企業チームと、複数のスポンサーから協賛金を募って運営するクラブチームが共存している。運営方法が違う2種類のチームが混在することが長年、Vリーグの抱える課題だった。

 どちらかの立場に立って改革を進めようとすれば、一方から反対の声が出る。反対する側の意見をくみ取ろうとすれば、改革が進まない。その繰り返しだった。

 嶋岡会長は続ける。

「クラブチームは、それぞれがスポンサーを自分たちで集めて運営しています。かたや企業チームもありますので、全部、一律に同じ方法でやろうと強制するわけにはいきません。

 そのため、わたしたちが決めたライセンスの範囲内なら、どういう形態でも構いませんというシステムを作りました。クラブチームと企業チームが同じ土俵でやるのですから、両方にメリットがあるような仕組みを作るのが重要だと考えています」

 主管がチームに移ることで、今回のナイトゲームのように会場での演出、客席の設置方法やチケットの価格設定など、各チームが趣向を凝らして集客アップを目指すこととなる。

【次ページ】 これまでは地元企業の広告さえ設置できなかった。

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栗山雅史
嶋岡健治

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