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新潟出身の本間勲、大野和成が去り。
それでも“アルビらしく”J1復帰を。

posted2018/01/04 08:00

 
新潟出身の本間勲、大野和成が去り。それでも“アルビらしく”J1復帰を。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

リーグ戦ラスト6試合5勝1分け。この好成績を同期間にマークしたのは優勝した川崎だけだった。

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大中祐二

大中祐二Yuji Onaka

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 拍手は雨の音に似ていると思った。第32節、新潟はホームで甲府に勝ったものの、残留を争っていた広島が神戸に勝利。これによって2004年にJ1に昇格して以来、初めてのJ2降格が決定した。

 いつもであれば、試合後の選手たちはビッグスワンを一周しながら、サポーターと一緒にバンザイして勝った喜びを共有する。だが、この日は違った。ゴール裏の前で、バックスタンドの前で、メインスタンドの前で。選手たちは深々と頭を下げ、スタジアムに駆けつけた約1万6000人のサポーターは拍手を送り続けた。

 雨音とひと言で表すにしても、雨のニュアンスはさまざまだ。例えばこの時期の新潟は、とかく風の強い日が多い。そうなると、屋根や窓に叩きつけるような雨が降る。やがて、そこにみぞれ、あられが混ざる。地元の人々が“雪下ろしの雷”と呼ぶ雷鳴がとどろくこともある。

 甲府戦の後、ビッグスワンに鳴り響いた拍手は、晩秋の猛々しい雨音に似ていたわけではない。長く、厳しい冬の終わりに草木の芽吹きをうながす、柔らかい雨のぬくもりを連想させた。苦しかった2017年シーズン、残念ながら降格という結果になってしまったが、選手たちが戦い抜いたことを知るサポーターたちの、ねぎらいといたわりの響きであった。

地元出身の本間が引退、大野は湘南へ移籍。

 シーズンオフの今、チームは変化の真っ最中にある。移籍、契約満了、現役引退で、12月28日時点で11選手がチームを去った。対して加入は、シーズン中に加入内定が発表された高校、大学生3人を含む7選手となっている。

 シーズンオフの戦力の入れ替わりは、自然なことだ。今回はそこに、J2降格という力学が働くわけで、主力選手のさらなる移籍の可能性も報じられている。

 それを踏まえてなお堪えるのは、新潟のアイデンティティーの根幹に関わる別離の痛みが伴うからだ。

 地元出身の2選手との別れ。1人は18年間のキャリアのうち、栃木での2年半を除くすべてを新潟でプレーしたミスターアルビレックス、本間勲の現役引退。もう1人は新潟のユース(現U-18)で育ち、2017年はキャプテンを務めた大野和成の湘南への完全移籍である。

【次ページ】 2人とも苦悩する中でも、チームを思い続けた。

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