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新潟出身の本間勲、大野和成が去り。
それでも“アルビらしく”J1復帰を。 

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大中祐二

大中祐二Yuji Onaka

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2018/01/04 08:00

新潟出身の本間勲、大野和成が去り。それでも“アルビらしく”J1復帰を。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

リーグ戦ラスト6試合5勝1分け。この好成績を同期間にマークしたのは優勝した川崎だけだった。

2人とも苦悩する中でも、チームを思い続けた。

 2012年、最終節にG大阪、神戸を大逆転して残留したシーズン、本間は思うように結果が出せないチームを苦悩しつつまとめ、けん引した。そのキャプテンシーは、まばゆいカリスマ性というより、黙々とサッカーに打ち込む姿勢によって、何より説得力を持った。栃木から新潟に復帰した2017年も、チームのよりどころで在り続けた。ただ、降格したことに自身の力の衰えを感じ、引退を決断した。

 大野は2年連続で15位に終わった2016年シーズン終了後、いち早く契約更新を発表している。チームとクラブの現状に強い危機感を抱き、自らの残留宣言が移籍を考えている選手を引き留める材料の1つになれば、との判断からだ。

 1年経って、状況は変わった。2017年はキャプテンに就任した大野だったが、前年8月にけがした右ひざを6月に再手術。全治は3カ月で、低迷するチームで力を出し切ったとは言い難い。

「クラブには、深い愛着や思い入れがありますが」

 2012、13年と期限付き移籍した湘南でチョウ・キジェ監督の薫陶を受けた生え抜きのキャプテンは、今回、縁の深いチームへの完全移籍を決めた。そのコメントとして、クラブは次のように発表している。

「このたび、湘南ベルマーレに移籍することになりました。 

 ユースから現在に至るまで、大変お世話になりました。 

 今シーズン、J2降格という結果に対し、たくさんの皆さんを悲しませてしまったことに対して、非常に申し訳なく思っています。自分自身、キャプテンという立場を任せていただいたにも関わらず、自分のコンディションも整わず、チームに対して十分な貢献をできないまま、シーズンを終えてしまったことに、後悔と責任の重さを痛感しています。 

 現在の自分、そして今後の自分について、たくさん考え、悩み、多くの方々に相談もさせていただきました。新潟という故郷、アルビレックス新潟というクラブには、深い愛着や思い入れがありますが、もっと選手として大きくなりたい気持ちが強くなり、この決断をしました。 

 サポーターの皆さん、自分に関わっていただいたクラブ関係者の皆さん、本当にありがとうございました」

【次ページ】 チームの尊厳を守った小川佳純の完全移籍は福音だ。

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