「郁万と僕は違いますよ。でも抜きたい存在ですね」

　2人とも世界に行けなかった悔しさを、自らの成長へと反映させようとしている。こうした共通項も、彼らの間にある“不思議なコミュニケーション”の一端を担っていると言っていい。

「郁万と僕は違いますよ。だって、郁万はずっと前からU-16やU-17のメンバーに入っていて、U-16は選ばれたのに怪我をして辞退。僕は数回呼ばれただけ。あいつは自分より上の存在ですし、いつか抜きたい存在ですね」

彼らの間に言葉は必要ない。ピッチの中でのプレーとイメージの相互理解と共有という、最強のコミュニケーションがある限り、彼らはチームの勝利のために協力し合いながら全力を尽くせる、ベストパートナーなのだから。

　優勝候補・流通経済大柏の“最強2年生コンビ”。選手権ではどんなコンビネーションを見せてくれるのだろうか。ピッチ上で活発に交わされる、2人の無言のコミュニケーション。これがどんな価値を生み出すのか。それを見るのが、今から楽しみでならない。