箱根駅伝2018BACK NUMBER

「箱根路から世界」に必要なものとは?
山梨学院大が培う“スピリッツ”。

posted2017/11/13 12:20

 
「箱根路から世界」に必要なものとは?山梨学院大が培う“スピリッツ”。 <Number Web> photograph by Kyodo News

ロンドンの世界陸上で日本代表として、自身3度目となるフルマラソンを走った24歳の井上。

text by

別府響(文藝春秋)

別府響(文藝春秋)Hibiki Beppu

PROFILE

photograph by

Kyodo News

「井上、ありがとう!」

 2015年の第91回箱根駅伝。

 山梨学大の上田誠仁監督は、3区を走り終えた主将の井上大仁に、こう声をかけずにはいられなかった。

 この年の山梨学大はエースの留学生ランナー、エノック・オムワンバを大会直前の故障で欠き、急遽出走が決まった1区の選手が大きく出遅れた。日本人エースである井上にたすきが渡った時には、20位の最下位という苦しい展開になっていた。

「普通に考えると、あの位置でたすきを受けて走るのは、流れを考えても思った以上に難しい。本当に力がある選手でないと、ああいう場面で悪い流れを跳ね返す走りはできないと思います」

 そう上田監督自身が言うような厳しい状況の中で、井上は区間3位と力走。その魂の走りはチームに火をつけ、翌日の復路で大逆転でのシード権獲得へとつながった――。

「箱根から世界へ」を体現した井上の活躍。

 その井上は2年後の今年8月、マラソンの日本代表として、ロンドン世界陸上の舞台に立った。

 選考レースの東京マラソンで2時間8分22秒の快走を見せて、文句なしの代表選出。弱冠24歳にして、箱根駅伝の目標の1つでもある「箱根から世界へ」というテーゼを体現して見せた。

 山梨学大は過去にも大崎悟史(現山梨学大コーチ)、尾方剛(現広島経大監督)らマラソンの五輪代表を輩出している。では、なぜ彼らは箱根駅伝という枠を飛び出し、世界の舞台へ羽ばたくことができたのだろうか。

【次ページ】 上田監督が口にした3人の共通点とは。

<< BACK 1 2 3 NEXT >>
1/4ページ
関連キーワード
山梨学院大学
上田誠仁
井上大仁
大崎悟史
ジョセフ・オツオリ
箱根駅伝

ページトップ