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ムーキー・ベッツと連続無三振記録。
「伝説」を視野に入れられるか?

posted2017/04/29 09:00

 
ムーキー・ベッツと連続無三振記録。「伝説」を視野に入れられるか?<Number Web> photograph by AFLO

ベッツは2016年のオールスターにも出場。俊足強打のニュースターとして名門チームを引っ張る。

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 ムーキー・ベッツ(レッドソックス)の連続打席無三振記録が129で途絶えた。4月19日の対ブルージェイズ戦で、左腕フランシスコ・リリアーノに三振を喫してしまったのだ。

 三振は避けがたい。しないほうが珍しい。昨2016年シーズンを振り返ると、100個以上の三振を喫した選手が139人いた。今季もすでに5000個近い三振が記録されている。しかしベッツは、2016年9月12日以降、連続打席無三振記録を伸ばしつづけていたのだった。

「三振しない男」と聞いて、私が反射的に思い浮かべるのは、リッチー・アシュバーンだ。晩年はカブスやメッツで働いたが、彼は1950年代フィリーズの花形中堅手だった。好打好守で知られ、殿堂入りも果たしたが、15年間の大リーグ生活通算で9736回打席に立ち、571回しか三振しなかった。率でいうと5.9%。17打席に1度しか三振しない計算で、55年と58年には首位打者も獲得している。

 イチローの通算成績(2017年4月24日現在、10488打席で1044三振。10%を切っているのはさすがだ)と比べても、アシュバーンの数字は特筆に値する。

大リーグ史上最長の無三振記録は連続223打席。

「三振しない男」はほかにもいた。連続223打席無三振という(リーグ拡張時代以降の)大リーグ記録を'76年に樹立したのは、フィリーズのデイヴ・キャッシュだ。キャッシュはこの年、727打席13三振、三振率=1.8%という驚異的な数字を残した。通算でも、大リーグ生活12年間で6057打席、309三振(三振率=5.1%)という素晴らしい数字を残している。

 キャッシュの1年前には、デニー・ドイル(エンジェルス→レッドソックス)が159打席連続無三振という記録を残した。この年のドイルは353打席12三振(三振率=3.4%)の成績だった。これに近いところでは、2004年のホアン・ピエール(マーリンズ)が147打席連続無三振を記録した。年間では748打席35三振(三振率=4.7%)。

【次ページ】 手と眼が高度に連動しているベッツの打撃。

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