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メキシコで“勘違い先発”も何のその。
ホークス五十嵐亮太は心も体も頑丈。 

text by

田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byKyodo News

posted2017/03/11 08:00

メキシコで“勘違い先発”も何のその。ホークス五十嵐亮太は心も体も頑丈。<Number Web> photograph by Kyodo News

昨季は打ち込まれる場面が目立った五十嵐だが、フォークを再び宝刀にしてセットアッパー返り咲きを狙っている。

708試合連続救援登板という隠れた日本記録を継続中。

 ただ、五十嵐は、昨シーズン終了時点までデビュー以来708試合連続救援登板の日本記録を継続しているのだ。

「価値観の問題だと思うんです。その記録よりも新しいステージに立って、新しい自分を見つけるという価値の方が僕の中では高い。どんどん新しい自分に挑戦したい。それにデビュー連続中継ぎの記録といっても、引退してしまったら誰も覚えていないですよ(笑)。王さんやイチローさんのような記録とは違いますから」

 新しい挑戦――年が明けて春季キャンプ中の、2月11日のことだった。

千賀の「お化けフォーク」を自らのものにする!

 屋内練習場での練習中。五十嵐は引き上げようとする千賀滉大を呼び止めた。何やらボールを握ってひそひそ話。しばらくすると、五十嵐はネットスローを始めた。

「すごい、落ちてる!」と千賀が驚いた。その場で宝刀「お化けフォーク」を教わったのだ。五十嵐はそのまま何球も、納得するまでネットに向かって投げ続けた。

「いやー、来ましたね。これまでになかった感覚ですよ。彼の言っていることが分かりやすかった。握り方じゃない。投げ方というか腕の振り方というか。彼はフォークの時だけ、腕をしならせるのではなく、肘から先が一緒に出るような感じで投げていたんです。

(中田)賢一も同じでした。すると、ほとんど回転をしないんです。だから落ちる。それに千賀が言うには『腕がしっかり振れるから、たとえ抜けてもチェンジアップのような感じになるので安心』らしいです」

 進歩のためならば、後輩にも教えを乞う。そしてそのフォークは、2日後の打撃投手でさっそく試された。松田のバットが空を切った。そして、長谷川勇也に対しては抜けてしまったが、空振り三振を奪った。タイミングを完全に崩していた。

【次ページ】 ストレスだったフォークが、今やモチベーションに。

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