フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
平昌五輪会場で行われる四大陸選手権。
課題山積みの大会周辺を現地レポート。
posted2017/02/17 12:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Yonhap/AFLO
来年2月に行われる平昌五輪の開催地で、2月16日から五輪テストイベントを兼ねた四大陸選手権が開幕した。
フィギュアスケートの会場があるのは、スキーなどが開催される平昌から沿岸に向かって車で1時間弱ほどの距離にある江陵(カンヌン)である。
五輪用に仁川空港から平昌まで高速鉄道が建設中とされているがまだ完成しておらず、今回関係者は空港からバスでの移動となった。
著者も金浦空港から小型バスに乗り込んだが、運転手はできたばかりの高速道路を怖いほどのスピードですっ飛ばした。それでも3時間半たっぷりかかり、とにかく遠いというのが第一印象であった。
会場まで片道40分かかる選手宿泊ホテルって……。
さてようやく到着した江陵は、海辺のリゾートタウンで夏にはおそらく海水浴客でにぎわうのだろう。だが真冬の今は、人通りもほとんどなく、正直に言うなら全体がかなりうらぶれた雰囲気である。
メディアホテルのある周辺には、小型のリゾートホテルらしき建物と、一目でそれとわかる派手なデザインのラブホテルが混在していて、かなり微妙な雰囲気だ。だがそれでも、会場から車で10分というこのホテルを確保できたのはラッキーだった。
運営側から指定されたメディアホテルのほとんどは、部屋数が20室程度の小さなホテルであっという間に満室となり、あぶれた関係者は車で40分ほどの離れたホテルから毎日往復1時間半近くかけて通うことになった。
驚いたのは、選手用ホテルもやはり車で片道40分ほどの距離だということである。万が一選手が衣装などの忘れ物をしたら、気軽に取りに戻れる距離ではない。
また競技のある日に、公式練習と本番で1日に2度往復することになれば、体力的にもかなりの負担に違いない。