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筒香の覚醒、山崎とロペスの不振。
ラミレス監督は主軸にどう対したか。
posted2016/12/21 07:00
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph by
Hideki Sugiyama
横浜DeNAベイスターズのラミレス監督が、2016年を振り返り、「ここまで話していいの?」というところまでじっくりとシーズンを語り尽くすNumberWeb独占の連続インタビュー。第3回は、5割をめぐる攻防が続いた7、8月の戦いと、ハマの大砲・筒香嘉智選手の覚醒、また、ファンの間でも賛否が分かれた「調子の波の激しい選手の起用」について、その理由を明かしてくれました。なぜ監督は、30打席ノーヒットのロペスを先発で使い続けたのか。そこには、彼のある強固な信念が大きく影響していた……。
――前半戦のMVP、野手では筒香嘉智選手の名前を挙げられましたが、後半戦に入ってすぐ、3試合連続マルチ本塁打(7/19、7/20スワローズ戦、7/22ジャイアンツ戦でそれぞれ2本塁打)という史上初の記録を打ち立てました。あらためて、筒香選手をどう評価していますか。
「これは筒香以外の選手に対しても常に言っていることだが、打者が最も狙うべき球はファーストストライク。それを見逃すと、投手はもう勝負してこないし、ホームランにできるようなボールも来なくなってしまう。筒香がいい状態にある時は必ずファーストストライクを見逃さずに強振できていて、非常に危険なバッターになれる。
マルチ本塁打を続けていたころの筒香は、すべてのボールをホームランにしてしまうような雰囲気があった。まったく違うレベルのバッターになったなと思いながら、その姿を見ていた」
難しかった「勝てば5割」の壁の向こう側。
――7月下旬には5割復帰を果たしましたが、せっかく貯金を1つつくっても翌日の試合で負けてしまうなど、安定した貯金生活に入ることができないシーズンでした。
「勝てば5割、あるいは貯金がつくれるという試合に限って、相手チームのベストな投手にぶつかった印象がある。その壁の向こう側に行くことは本当に難しかった。ただ、(単独最下位だった)4月の状況を思えば、5割に届くところにいること自体がすばらしいことだった。
選手たちやコーチ、それからファンも、このまま5割をキープすればクライマックスシリーズ(CS)に行けるんじゃないかという機運が高まっていることも感じていた」