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凱旋門賞で包囲されたマカヒキ。
マーク集中を防ぐ“日本化”が必要? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2016/10/03 11:20

凱旋門賞で包囲されたマカヒキ。マーク集中を防ぐ“日本化”が必要?<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

今年の凱旋門賞は、珍しく4歳馬が上位を独占した。来年もシャンティー競馬場で開催予定で、マカヒキ世代には大きなチャンスが残った。

馬券が買えると、凱旋門賞との距離が全然違う。

 これが日本で初めての海外競馬の馬券発売レースとなったわけだが、購入方法がパソコンやスマホなどによるインターネット投票だけだったにもかかわらず、41億8599万5100円もの売上げを記録した。競馬場やウインズでも発売された同日のスプリンターズステークスの126億6409万3600円には及ばなかったが、前日のG3シリウスステークスの23億3127万8700万円は大きく上回った。

 スポーツ紙では連日、スプリンターズステークスよりずっと大きく扱われ、ファンにとって、日本馬を応援するだけだったこれまでの凱旋門賞とは異なるレースとなった。馬券を売ると、競馬はこんなに違うのかと、あらためて思わされた。

欧州調教馬以外なら、日本が一番手なのは変わらず。

 さて、同日の第50回スプリンターズステークス(10月2日、中山芝1200m、3歳以上GI)を勝ったのは、ミルコ・デムーロの乗るレッドファルクス(牡5歳、父スウェプトオーヴァーボード、美浦・尾関知人厩舎)だった。

 この馬は日本ハムの大谷翔平ばりの、芝で4勝、ダートで4勝という「二刀流」。結果的に「サイン馬券」になった。

 単勝1.8倍の圧倒的1番人気に支持されたビッグアーサーは、道中折り合いを欠いたうえ、直線で進路を確保できず、12着に大敗した。

 15時40分に秋の短距離王決定戦があり、7時間半ほど経った23時5分から、自国のダービー馬が出て馬券が買える世界最強馬決定戦が行われるという、初めての「世界競馬祭り」とでも言うべき1日が終わった。

 あくまでもファンサイドからの見方ではあるが、「世界」がより身近になったことは間違いない。世界最高峰の頂は高いが、そこはもう見えている。エルコンドルパサーやオルフェーヴルなどの走りを引き合いに出すまでもなく、ヨーロッパ調教馬以外の馬が勝つとしたら、北米や南米、オセアニアや香港ではなく、日本が一番手だろう。次なるチャレンジに望みをかけたい。

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