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スポーツメーカーが考える五輪の未来。
リオの子どもたちに贈った22の公園。 

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posted2016/08/26 11:40

スポーツメーカーが考える五輪の未来。リオの子どもたちに贈った22の公園。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

エンカンタードに出来た大型公園の壁画は、地元アーティストのケイジャマンが手掛けた。

単に公園を作るのではなく、活用法を提供したナイキ。

 しかしリオデジャネイロ市は、160の地域、640万人の住民が暮らす巨大都市。貧しい地域も多い。治安の悪いところもまだ少なくない。街中にひとつ公園を作ったところで、ナイキの想いは届かない。子どもたちが遠くからそこを訪れることは容易ではないからだ。

 そこで、ナイキは自治体に相談し、22の地域にそのプログラムを届けることにした。

 ビレッジは、インドア、アウトドアなど様々だが、中には大掛かりな改築を施して、陸上トラック、バスケットボールコート、フットサルコートや、スケートボード用のエリアなどが集まる場所もある。

 子どもの遊び場としてだけでなく、ユース世代のトレーニングや、スポーツに関する仕事を目指す若者へのプログラムも用意されている。

高架下の公園に、あの世界のスーパースターが現れた!?

 オリンピック真っ只中の8月14日、エンカンタードという地域に出来たビレッジに、多くの人が集まった。ここは、リーニャ・アマレラ橋の高架下に出来た細長い公園で、地域の再開発にもつながった。

 ポップな壁画は、地元のグラフィティアーティストのアンドレ・ケイジャマン(Andre Kajaman*インスタグラム https://www.instagram.com/kajaman/)が手掛けた。ケイジャマンは、地元のアーティストを束ね、また子どもたちと共にいくつもの壁画を完成させた。地域再生、地元のアーティストとコラボレーションするという文化的なサポートも“オリンピック・ビレッジ”に共通するナイキの目的である。

 その日、たくさんの子どもたちの輪の中に現れたのは、10個のオリンピック・メダルを持つアメリカの英雄、カール・ルイス。

 カールは、その晩に行われる、男子陸上100m決勝を見届ける任務だけでなく、ここで重要な役割を果たした。リオの未来を背負う小さな子どもたちに大きな思い出をさらにひとつ作ったのだ。

【次ページ】 「製品だけでなく、私たちの情熱も届けたい」

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