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モーリス敗戦で中距離はさらに混戦。
秋のGI戦線は全ジャンルで層が厚い!

posted2016/08/24 08:00

 
モーリス敗戦で中距離はさらに混戦。秋のGI戦線は全ジャンルで層が厚い!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

初重賞がモーリス打倒となったネオリアリズム。逃げ馬というわけでもないだけに、直線の長い東京でどんなレースを見せるか楽しみだ。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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NIKKAN SPORTS

 高い壁に阻まれての2着だったのか。それとも、可能性をひろげる2着だったと見るべきなのか。

 国内外のマイルGIを4勝した「マイル界の絶対王者」モーリス(牡5歳、父スクリーンヒーロー、美浦・堀宣行厩舎)が、8月21日の第52回札幌記念(札幌芝2000m、3歳以上GII)に出走。単勝1.6倍の圧倒的1番人気に支持されたが、同じ堀厩舎の僚馬ネオリアリズム(牡5歳、父ネオユニヴァース)の逃げ切りを許し、2着に敗れた。

 父がジャパンカップを勝ったスクリーンヒーロー、母の父が凱旋門賞馬カーネギーという血統。エンジンのかかりの遅い走り。そして何より、GI4連勝で見せた圧倒的な競走能力――といった要素から、2000mや2400mでもこなすのではないか、いや、こなすどころかむしろ距離が延びたほうがいいのではないか、という見方もなされていたが、追い込み切れず、2馬身差の2着。3着のレインボーラインにも首差まで詰め寄られた。

 やはり距離の壁があったのか。あるいは、降雨のため稍重発表以上に渋った馬場に持ち味を殺されたのか。かつてブエナビスタがヤマニンキングリーを差し切れなかったように、小回りコースへの適性の差が出たのか……。

脚さえあれば圧勝しそうな形はできていた。

 対照的なレースをしたネオリアリズムの一番の勝因は、迷わず逃げの手に出たクリストフ・ルメールの好騎乗だろう。それと、札幌の芝では3戦3勝というコース適性(3戦ともルメールが鞍上だが)。加えて、安田記念優勝馬リアルインパクトの半弟という、血統の裏付けもある。

 そしてモーリス。騎乗したジョアン・モレイラがコメントしたように、小回りコースで15番という外枠からの発走となったので、内に入れるまで時間がかかった。が、それはこの枠を引いたときから織り込み済みだっただろうし、たいしたロスではなかった。マイルより長い距離のレースは久しぶりだったのに、前走の安田記念よりも折り合いがついていたし、切れるタイプではないので4コーナーを回りながらスパートするなど、脚さえあれば圧勝しそうな形はできていた。

 それでも勝てなかったのはなぜか。ネオリアリズムが、私たちが思っている以上に強かったか、先述した距離、馬場状態、コース適性などの要素が少しずつ作用してモーリスの力が削がれたかのどちらかだろう。

【次ページ】 モーリスの体型は確かにマイラー然としているが……。

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