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清宮幸太郎の全国行脚に密着。
「ボンズも全部打ったわけじゃない」
 

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photograph byHideki Sugiyama

posted2016/06/30 11:30

清宮幸太郎の全国行脚に密着。「ボンズも全部打ったわけじゃない」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

早くも高校通算50本塁打を達成した清宮幸太郎。早稲田実業が臨む西東京大会は7月10日に幕を開ける。

どこか昭和の名選手のような風格。

 清宮が抱くそうした地元の人々や先人たちへの敬意が、Number編集部の琴線に触れた。近年のNumberでは毎年8月に甲子園をテーマにした特集を組んでいるが、球児たちのドラマはむしろ甲子園を巡って争う地方大会にこそあるのではないか。そして、夏の大会に参加する全国4000校の野球に対する思いを、清宮なら汲めるのではないか――。

 そんな経緯で実現したのが、銀色のバットを担いだ清宮が表紙を飾るNumber905号「〈地方大会開幕特集〉甲子園を夢みる夏。」。練習にいそしむ清宮にも無理を言って、撮影に応じてもらった。

 清宮が興味を持ったのは、取材班が持参したイチローが表紙のNumber903号。「イチローさん、やっぱり格好いいですね!」と食い入るように見つめたあと、「僕もNumber用の顔で写らなきゃ」とおどけてみせる。練習や試合では高校球児らしからぬ「脱力感」を見せる清宮だが、撮影時の表情は宣言通りに至って真剣。17歳のあどけなさを残しつつ、どこか昭和の名選手のような風格すら漂う趣深い写真ができ上がった。

 インタビューにおいても、清宮は図太さと無邪気さを交互にのぞかせる。達観したように「バリー・ボンズだって全部打ってたわけじゃないんだぐらいの気持ちでやってます」と打席での思考法を語ったかと思えば、あっけらかんとこんな驚くべきことを口にした。

「ようやく18mに慣れてきた感じがしますね」

 その言葉の意味を理解したとき、取材班はこの怪物スラッガーがまだまだ本領を発揮していなかったことを思い知らされる。

 清宮が語った「18m」の意味とは、そして今夏の甲子園に向けた手応えは。Number905号では、清宮が中村計氏のインタビュー、に高校2年生となった自身の進化を語っています。詳細はぜひ、本誌をお読みください。
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清宮幸太郎
早稲田実業高校

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