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清宮幸太郎の全国行脚に密着。
「ボンズも全部打ったわけじゃない」

posted2016/06/30 11:30

 
早くも高校通算50本塁打を達成した清宮幸太郎。早稲田実業が臨む西東京大会は7月10日に幕を開ける。

早くも高校通算50本塁打を達成した清宮幸太郎。早稲田実業が臨む西東京大会は7月10日に幕を開ける。

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Number編集部

Number編集部Sports Graphic Number

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photograph by

Hideki Sugiyama

Number905号は高校野球の地方大会開幕特集。
表紙と特集冒頭を飾るのは、昨年「怪物一年生」として甲子園の話題をさらった、早稲田実業の清宮幸太郎です。
5月から6月にかけて全国5箇所を巡った遠征を、密着取材しました。

「忙しいのが高校野球。そこに慣れていかないと夏はやっていけないので、このくらいの忙しさがちょうどいいのかなと思います」

 招待試合が続いたこの2カ月間というもの、早実の清宮幸太郎はおそらく日本一忙しい高校球児だった。

 まずは5月3日から秋田県能代市の山田久志サブマリンスタジアムにて、3日間で4試合。その週末の5月7、8日には、宮崎県宮崎市のサンマリンスタジアムで3試合を戦った。テスト休みを挟んで、5月29日に長野県松本市の四賀運動広場で、さらに翌週の6月5日にも千葉県成田市のナスパ・スタジアムで、いずれもダブルヘッダーにフル出場している。そして6月18、19日には、三重県熊野市の市営くまのスタジアムで4試合。

 遠征の合間には自校の王貞治記念グラウンドでの練習試合も組まれていたし、平日の放課後にはもちろん部活動があった。

土地や球場の歴史を予習してのメディア対応も。

 このような日程だけなら他の強豪校の部員も経験するが、清宮の場合は行く先々でスターとしての振る舞いを求められる。どの球場にも多くの観客が詰めかけ、スタメン発表の「3番ファースト、清宮君」のコールには万雷の拍手。打席に立てば、相手校の保護者から「打たれとけー!」とまるでご利益があるかのような声が飛ぶ。そして試合が終われば地元メディアの取材に応じて、その土地に合わせたコメントを残した。

 たとえば四賀運動広場では、同球場の歴史と今秋から改修工事に入ることをしっかり予習した上で「またここが新しくなったときに、ぜひ招待していただければと思います」。ナスパ・スタジアムで行なわれた佐倉高校の創部120周年記念試合についても「こうして記念試合に呼んでくださるのは、長嶋さん、王さんをはじめ先輩の方々が築き上げてくださったものなので、そういうところに感謝しながらできました」と、佐倉OBの長嶋茂雄氏のプレー映像を見てから試合に臨んだことを明かしている。

【次ページ】 どこか昭和の名選手のような風格。

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