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福留孝介の決断1つ1つに敬意を。
2000本の陰に何を捨ててきたのか。 

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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photograph byNaoya Sanuki

posted2016/06/27 17:00

福留孝介の決断1つ1つに敬意を。2000本の陰に何を捨ててきたのか。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

チーム最多安打、規定打席をクリアしている中でのチーム最高打率。福留孝介の決断の日々は、今も続いている。

中日時代から担当記者だった筆者が退社を告げると……。

 中日時代から、シカゴ・カブス入団時、阪神移籍後も、ずっと担当記者として取材してきた。昨年末、新聞社を辞めて東京でフリーになると告げた。すると、こう言ってグラスを合わせてくれた。

「もう、決めてるんだろ? 話せる奴がいなくなるのは寂しいけどな……。まあ、行ってこいよ」

 詮索も、疑問も投げつけない。自由に翔んできた人らしい、察しと思いやりがうれしかった。

 2000本ものヒットを積み上げた事はもちろんだが、自ら背負い切った18年、8000数打席、その1つ、1つの決断にこそ敬意を表したい。

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