“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER

絶対に負けられないU-19日本代表。
新風を吹き込む2人の18歳を検証。

posted2016/04/21 07:00

 
絶対に負けられないU-19日本代表。新風を吹き込む2人の18歳を検証。<Number Web> photograph by Takahito Ando

合宿最終日のガンバ大阪戦でのスターティングメンバー。前列右端が遠藤渓太、その隣が森晃太。

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph by

Takahito Ando

 2017年に韓国で開催されるU-20W杯の出場権を懸けた重要な大会が、今年10月にバーレーンで開催されるAFC U-19選手権である。日本代表は、U-20W杯に過去4大会連続で出場できていない。その意味で、AFC U-19選手権は、是が非でも勝ちたい大会となっている。

 本番まであと6カ月となったU-19日本代表のメンバーは、4月11日から13日にかけて大阪で合宿を行った。

 最終日に行われたG大阪との45分×2本のトレーニングマッチにおいて、このチームに新風を送り込んだ2人の男がいる。

 森晃太と遠藤渓太。

 トップ下と左MFに入った2人は、MF二川孝広、DF岩下敬輔、GK藤ヶ谷陽介らベテランを擁したG大阪を相手に、容赦なく襲いかかった。

 前半17分には遠藤渓太のドリブルからのミドルシュートを、G大阪GK藤ヶ谷が弾くシーンがあった。そのこぼれ球にFW小川航基が詰めて先制点を挙げると、34分には左サイドを突破した遠藤のマイナスの折り返しを、再び小川が冷静に決めて追加点。遠藤は2点に絡む活躍を見せ、森も小川との連携から攻撃を活性化させていた。彼らが出場した前半は、間違いなくU-19日本代表が試合のイニシアチブを握っていた。そして、その中心にいたのはこの2人だった。

「新しいメンバーも含めて、新しい発見が出来た有意義なキャンプで終ることが出来た」と、2-0の勝利を収めたU-19日本代表の内山篤監督も、彼らの出来に満足そうな顔を見せた。

順調に活躍してきたはずの森に、突然の試練が。

 この2人の新風に共通するものは、暗闇から這い上がって来たことだ。

 揃って強豪のJリーグ・ユース出身だが、高3の途中までは厳しい現実に直面してきた。

 森晃太は小学校時代から中学まで、エリートコースを歩んで来たはずだった。小1から名古屋グランパスU12でプレーし、小6時に全日本少年サッカー大会でクラブ史上初の優勝も手にしている。その後、名古屋U15、U18と順調に進み、高3の日本クラブユース選手権ではベスト8でこそ敗れたが、得点ランキング2位の6ゴールを挙げるなど、存在感を示していた。

 だが、その直後に彼に下されたのは、まさかのトップチーム昇格見送りだった。

「兄と同じように、高卒でトップチームに上がることしか考えていませんでした。でも、現実は違った。だからと言って大学に行こうと思わなかった。どこかに(高卒プロ入りを果たす)チャンスはあると思った」

 兄・勇人は名古屋U12からU15、U18と進み、そのままトップ昇格を果たしている。だが、同じ道を歩んできたはずの弟・晃太は、厳しい現実を突きつけられる結果となった。

 だがこの現実をすぐに受け入れ、新たなチャンスを掴むための歩みは止めなかった。

 ヴァンフォーレ甲府から練習参加のオファーを受け、持ち前の突破力とシュートセンスを猛アピール。結果、入団を掴み取ることが出来たのだ。

【次ページ】 兄と同じJ1のステージに立ち、さらに代表まで!

<< BACK 1 2 3 NEXT >>
1/4ページ
関連キーワード
U-19サッカー日本代表
横浜F・マリノス
ヴァンフォーレ甲府
小川航基
森晃太
遠藤渓太

ページトップ