金森「監督を悩ませる存在になりたい」

　金森は昨年7月のコスタリカ戦でゴールを挙げるなど鈴木、浅野らとFWのレギュラーの座を競っていたが、リオ五輪最終予選メンバーから落選した。

「最終予選に漏れたのは悔しかったです。でも、ポルトガル遠征、今回とアピールするチャンスをもらえたことに感謝して、チャンスをムダにしないようにしたい。自分のストロングポイントはドリブルですが、ハードワークできることや前線からの守備も得意です。代表ではFWやサイドハーフとして起用されていますが、複数ポジションができるし、それが強みにもなると思うので、今回は活躍して監督を悩ませる存在になりたいです」

　守備は、アビスパ福岡に井原正巳監督が就任してから鍛えられた。今では前線からの守備が自分の持ち味と言えるぐらい自信を持てるようになった。だが、今シーズンは得点がゼロ。チームは3分3敗と勝てていない中、代表では結果を残そうと清水戦に臨んだ。しかし、2度あったチャンスを決め切れず、得点を挙げることができなかった。

「いつも『惜しい』で終わってしまうのが悔しい」

「決めるチャンスがあったのにシュートを決められなかった。いつも『惜しい』で終わってしまうのが悔しいです。もっとやれたと思いますし、物足りない。新しい選手が入ってきて、競争がどんどん厳しくなっているし、だからこそ練習試合でもしっかり点を取って結果を残していかないと生き残れない。チームに帰って、点を取っていい流れを作っていかないといけないと思っています」

　端正なルックスと小気味いいプレーで福岡では絶大な人気を誇っている。中島とタイプが似ているが、中島はJ1リーグ戦で出場できていないため、J1で結果を出していければ、その椅子を争う存在になれる。

　今回の合宿で一番の輝きを放ったのが、野津田だった。もともと代表の常連メンバーだったが、昨年12月クラブW杯初戦のオークランド戦で右膝を負傷し、最終予選出場を断念した。そして今シーズン、下部組織から育った広島を出て、「自分自身を成長させ、リオ五輪に出るため」と新潟への期限付き移籍を決めた。相当な決意を持っての移籍だが、代表の2列目は激戦区だ。その中で存在感を示すには結果が必要だったが、清水戦ではFKの際、DF裏のスペースにススッと走り込み、「らしくないゴール」を奪い、得点への貪欲さを見せた。

【次ページ】　野津田が新潟で受けた恩恵は大きかった。