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バットマン? スーパーマン?
いや、日本には「ストレッチマン」がいる。

posted2016/02/04 11:55

 
19年間の長きにわたり子どもたちにストレッチと笑顔を届け続けた“初代”ストレッチマン。

19年間の長きにわたり子どもたちにストレッチと笑顔を届け続けた“初代”ストレッチマン。

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NumberDo編集部

NumberDo編集部Number Do

PROFILE

photograph by

Atsushi Kondo

 3月、いよいよ映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」が公開される。アメコミの2大ヒーローであるバットマンとスーパーマンがついに対決するとあって、アメリカでは大きな話題になっているようだ。幼いころに目に焼き付けたヒーローは、いつになってもわれわれの心を躍らせる。

 日本でもこれまで数多くのヒーローたちが生み出されてきた。ウルトラマン、ミラーマン、仮面ライダー、人造人間キカイダー、ゴレンジャー、宇宙刑事ギャバン、はてはタケちゃんマン……。

 これらは主に'70年代~'80年代に活躍したヒーローだが、現在の20代から30代が、男女問わず心躍らせた「ゼロ年代のヒーロー」といったら誰だろう? いや、30代より上の世代の人であっても、お子さんが見ていた画面の中に、あるいは何気なくザッピングしていた時にふと手を止めたNHK教育テレビで、きっと目にしたことがあるはずだ。

 一度見たら忘れられない、黄色の全身タイツ。障害を持つ子どもたちと共にストレッチをし、「ナーハッハッハッハッ、ストレッチパワーが、ここに溜まってきただろう!」と野太い声を響かせて笑う男。そのヒーローの名は、ストレッチマンという――。

「ストレッチパワーが、ここに溜まってきただろう!」

 取材のテーブルの上に次々と広げられていく、番組収録時の思い出の写真。それらを目を細めながら眺めるのは、19年間もストレッチマンを演じ続けた、関西の劇団・五期会の俳優である宇仁菅真(うにすが・まこと)さんだ。

 今回、Number Doでストレッチ特集を組むにあたり、障害を持つ子どもたちの身体と向き合ってきたヒーローに、ぜひ話を聞いてみたい。そう願った編集部が連絡をとると、NHKの子供向けのイベントステージに立つため、上京する機会があるという。

 取材場所の喫茶店(ハロウィンの渋谷!)に、人の間を縫いながらキャリーケースを引きずり、「ようやく着いた」というようなホッとした表情で、宇仁菅さんは現れた。「他にもあったんですが、持ちきれなくて」と言いつつ机に並べてくれた資料の数々は、ストレッチマン=宇仁菅さんが積み重ねた時間を雄弁に物語っていた。そしてそれ以上に、快活な関西弁で、番組に携わってきた日々を振り返る宇仁菅さんの語り口は魅力に満ちていた。

【次ページ】 熱狂的な盛り上がりの一方、悩みも。

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