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トップリーグ王者vs.大学7連覇!!
ラグビー日本選手権は注目の一発勝負。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNaoto Akasaka/AFLO

posted2016/01/29 10:40

トップリーグ王者vs.大学7連覇!!ラグビー日本選手権は注目の一発勝負。<Number Web> photograph by Naoto Akasaka/AFLO

もし帝京大学が勝利すれば、1987年度の早稲田大学以来28年ぶりに大学チームが優勝することになる。

坂手主将「当然、勝つつもりで戦う」

「去年は春から『打倒トップリーグ』という目標を掲げてやってきたけれど、いざNECに勝ったときに、次に対戦する東芝に、すぐに目標を切り替えることができなかった」

 帝京大の坂手淳史主将はそう話す。

「でも今年は春から『日本一』を目標に掲げてやってきましたから」

 1月10日、大学選手権決勝で東海大を破った後の場内インタビューで、マイクを向けられた坂手主将は「トップリーグのチャンピオンに思い切りチャレンジします」と殊勝に話したが、ミックスゾーンで記者に囲まれると「場内インタビューではチャレンジと言いましたが、胸を借りるとかいうつもりはない。当然、勝つつもりで戦います」と言い切った。

 言葉だけではない。強気に言うだけのプロセスは重ねてきた。

練習試合ではパナソニックに勝利したことも。

 7月にはサントリーと練習試合を行い、31-33で惜敗したものの、主力が出た前半は19-7と大きくリードした。後半、メンバーをガラリと変えたのは、目先の勝利よりも多くの選手に強度の高い経験を積ませようとする狙いから。そして8月には、相手は日本代表や各国代表の主力を欠いていたとはいえ、王者パナソニックに35-24で快勝したのだ。

「でもパナソニックは主力が出ていなかったし、全然別のチームですよ」

 帝京大の岩出雅之監督は、夏に勝ったという事実をまったく意識していないという。坂手主将も「まったく参考にはなりません」。

 それでもモチベーションは高い。

「自分たちの学年に、こうしてチャンピオンチームと戦うチャンスがあるのは本当にラッキーなことです」

 確かに、トップリーグ勢を相手に2週、3週と続けて戦うのは、いかに学生レベルを超越したフィジカルとスキル、経験値を兼ね備える帝京大といえども荷が重いだろう。しかし、大学選手権決勝から3週間のインターバルを置いて、1年間見据えてきたターゲットのパナソニックに挑めるのは、大学王者にとって、格好の舞台装置になるはず。

【次ページ】 堀江翔太「坂手くんのタックルには気を付けないと」

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