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子供のときの食事でケガは減らせる!
ドイツが取り組む“食事改革”の全貌。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2015/12/13 10:30

子供のときの食事でケガは減らせる!ドイツが取り組む“食事改革”の全貌。<Number Web> photograph by Getty Images

ドルトムントのトゥヘル監督は就任早々、チームの食事改善に乗り出した。

試合の前に合計0.8リットルもの水を飲む!?

 本には栄養学の基礎から応用までわかりやすく書かれており、たとえばファストフードやポテトフライにレッドカードを提示し、砂糖やマーガリンをなるべく取らないように忠告している(ちなみにトゥヘルはバターを排除しているが、この本ではバターは推奨されている。年代やレベルに応じて、何を重視するかで考え方が変わってくるのだろう)。

 本には72のレシピが掲載されており、選手がそれぞれの国の料理を紹介している。たとえば香川真司が日本料理(焼いた鶏肉に特製ピーナツソースを塗ったもの)、ギュンドガンがトルコ料理(パプリカとトマトの卵炒め)といった感じだ。

「試合の60~90分前に0.5リットル、15分前に0.3リットルの水を飲むべき」、「ほうれん草、目玉焼き、茹でたジャガイモの組み合わせが手軽で栄養的にもパーフェクト」、「果物は太りやすいので、それよりも野菜を」といった具体的なアドバイスが書かれている。

練習後の子供たちに頻繁にレモネードを許せば……。

 個人的に最も興味深かったのは、ケルン体育大学のフロベーゼ教授のインタビューだ。

 ケガ予防およびリハビリの専門家であり、100メートル走と200メートル走の元ドイツ2位の選手でもある同教授は、本の中でこう指摘している。

「もし練習後に子供たちに炭酸のレモネード(無果汁の加糖炭酸飲料)を頻繁に許すと、体からカルシウムが失われる原因になる。成長期の子供なら、骨が弱くなることを意味する。これがのちのケガの元になるんだ」

 科学的な理由まで書かれてはいないが、添加物に含まれるリンがカルシウムと結合して、体外に排出されることを指していると思われる。少量ならいざ知らず、練習後にいつも飲んでいると問題になるということだろう。

【次ページ】 ドンブリ何杯、の炭水化物だけでは足りない。

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