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マリアライト、GI初参戦でエリ女戴冠。
4歳で13戦目、この馬はまだ強くなる。
posted2015/11/16 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
1着から5着まで、首+鼻+半馬身+首差という大接戦になった第40回エリザベス女王杯(11月15日、京都芝外回り2200m、3歳以上牝馬GI)を制したのは、これが初めてのGI参戦となった6番人気のマリアライト(4歳、父ディープインパクト、美浦・久保田貴士厩舎)だった。
前日の雨の影響で、馬場状態は稍重。女王杯のひとつ前、芝外回り1600mで行われた1000万下のドンカスターカップの勝ちタイムが1分34秒9。最速の上がりが34秒2だから、多少時計がかかる程度の渋り方だ。それが結果にどう響くか。
ゲートがあいた。
まず、しんがり人気のリラヴァティが内から先頭に立った。それをウインリバティがかわして1コーナーに入り、後続との差をひろげて大逃げの形に持ち込んだ。
そのまま向正面へ。逃げるウインリバティの3馬身ほど後ろにリラヴァティ、5、6馬身後ろにフーラブライドがいて、そこから後ろの馬群はつながっている。
蛯名正義のマリアライトは、連なった馬群のなかほど。1番人気のヌーヴォレコルト、2番人気のラキシス、タッチングスピーチなどの有力どころは、その3馬身ほど後ろにつけている。3番人気のルージュバックは、さらに後方で脚を溜めている。
1000m通過は1分00秒7。これは逃げたウインリバティのタイムなので、そこから10馬身以上遅れたフーラブライド以下3番手集団の流れは、ややスローと言える。
それを見越してライアン・ムーアのラキシスが内からするすると上がっていく。
3コーナーに入ると先頭のウインリバティから最後方のスマートレイアーまで、12~13馬身に縮まってきた。
重賞初勝利がGI制覇となったマリアライト。
4コーナーを回りながら各馬がスパートをかけ、直線に向いた。
ラスト400m地点でラキシスが外のクイーンズリングと接触した。「内からいい位置につけられたが、挟まれたのが痛かった」とムーア。クイーンズリングに騎乗したアンドレアシュ・シュタルケも「あれがなければもっとやれたと思う」と振り返った。
ラスト200m地点を過ぎると、逃げ粘るウインリバティに後続が一気に襲いかかる。
外からマリアライトが抜け出した。ヌーヴォレコルトも追いすがる。さらに外からタッチングスピーチとルージュバックも猛然と追い込んでくる。
激しい叩き合いをマリアライトがしのぎ切り、2分14秒9のタイムで勝利をおさめた。
重賞初勝利がGI制覇。開業14年目の久保田貴士調教師にとっても初のGIタイトルとなった。