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「二段モーション」の基準は審判次第!?
専大松戸・原嵩が陥った甲子園の罠。 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byKyodo News

posted2015/08/07 15:40

「二段モーション」の基準は審判次第!?専大松戸・原嵩が陥った甲子園の罠。<Number Web> photograph by Kyodo News

マウンド上の原の乱調に、集まったナインたち。二段モーションの問題は、WBCでも日本野球を大いに苦しめたが……。

 対策は立てていた。

「監督に『甲子園では、注意されるかもしれないから』と言われていたので、違うフォームでも投げられるように練習していました」

 そう話す専大松戸の右腕エース原嵩のフォームは、確かに「二段モーション」すれすれに映った。セットポジションから左足を上げ、下ろしたとき、そこでやや溜める。わずかにもう一度、上げ直しているようにも見えた。

 二段モーションとは、フォームの途中で動作を完全に止めることで、野球規則で反則投球とされている。

 しかし、千葉大会ではフォームの修正を強要されるような注意のされ方をしたことは一度もなかったという。監督の持丸修一が証言する。

「『どうかな~』って言われたことはあったんですけどね」

フォームを注意されるたび、リズムを崩していったエース。

 大会二日目第一試合、花巻東戦に先発した原は、初回から再三にわたって、主審・桑原和彦から「止まっている」と注意を受けた。

 そのたび上げた左足を早目に下ろし、よりスムーズな投球を心がけたがなかなか桑原からのOKがでない。2回の投球練習時もこんな注意を受けた。

「それくらいならいいけど、まだまだだから気をつけて」

 立ち上がりだけで、「5、6回」も注意を受けたという。二段モーションを取られないフォームを練習していたという割には、その準備も十分ではなかったことをうかがわせた。

 フォームを注意されるたびに少しずつリズムを乱していった原は、2回には3四死球を出すなどし、2失点。最終的には2-4で負けたが、1試合で2、3個しか四死球を出さない原にしては、珍しい崩れ方だった。原が振り返る。

「足を早く下ろそうと意識するあまり、体の開きが早くなってしまった……。練習ではできていたんですけど」

【次ページ】 結局は審判の「主観」なのだろうか?

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