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中盤戦最大の見どころは、フェラーリのコンビ攻撃。
~ベッテル&ライコネンの反撃~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2015/07/03 10:30

中盤戦最大の見どころは、フェラーリのコンビ攻撃。~ベッテル&ライコネンの反撃~<Number Web> photograph by Getty Images

ベッテル(右)は2010~2013年に4連覇を達成し、ライコネンも2007年の覇者という王者コンビだ。

 第8戦オーストリアGPを終え、シーズンはこれから“セクター2”の中盤戦に進む。現在、首位メルセデス328点、2位フェラーリ192点、3位ウイリアムズ129点と続く。昨年の新パワーユニット(PU)導入後、メルセデスは実に27戦23勝。レッドブルに昨年3敗、フェラーリに今年1敗という勝率は驚異的で、伝説のマクラーレン・ホンダ快進撃('88年~'89年)に匹敵する。ちなみにハミルトンとロズベルグの“1-2フィニッシュ”は16回で、セナとプロストの14回を既に超えている。

 '88年の2位がフェラーリ(1勝)で、'89年はウイリアムズ(2勝)だった。伊・英の両名門が一矢報いた二十数年前とダブるように、今季フェラーリは第2戦マレーシアGPでベッテルが連勝を阻む1勝と2位2回、ウイリアムズも3位を2回と懸命にくいさがっている。しかし、メルセデスを脅かすのは、やはりフェラーリ。ウイリアムズはメルセデスPUユーザーで、同一スペック供給の契約でも厳密には細部が異なるようだ(マッサが言及すると両首脳陣はすぐに否定)。

ウイリアムズという“壁”を撃破し、メルセデス追撃を。

 第7戦カナダGPからフェラーリはバージョンアップしたPUを投入、実戦パワー向上がライコネンの最速ラップ樹立で確認された。結果的にスピンして3位をウイリアムズのボッタスに譲ったものの、メルセデス勢を追う展開を見せた。オーストリアGPでもベッテルが追走、中盤ピットストップで10秒タイムロスし、またもやウイリアムズのマッサに表彰台をかすめとられたが、この2レースで確実にポテンシャルを高めた。

 フェラーリが速さを増しながらも他の要因で躓くと、すかさずウイリアムズが3位を得る。この名門の鬩(せめ)ぎあいは選手権を争うハミルトン対ロズベルグの攻防に等しい緊迫感があり、コアなファンをひきつけている。メルセデスにすれば、ユーザーのウイリアムズという“壁”が有利に働く。夏のヨーロッパラウンドの最大注目点は、ベッテルとライコネンが、この壁を打破し、メルセデス追撃に集中できるかどうかだ。序盤は編隊戦法で脅かすには至らなかったが、背後につける展開に持ち込めばメルセデスも焦る。その斬り込み役は若いベッテル、二段構えを担うのがライコネン。息が合った“ダブルス・コンビ”の反攻を望みたい――。

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