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錦織効果で日本人選手が急成長中!
全仏出場5人という偉業の背景とは?

posted2015/05/29 11:40

 
錦織効果で日本人選手が急成長中!全仏出場5人という偉業の背景とは?<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

昨年のデビスカップにて。伊藤竜馬、錦織圭、植田実監督、内山靖崇、ダニエル太郎。錦織に牽引されるように、みな実力を上げている。

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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Hiromasa Mano

 こんなところにも錦織効果なのだろうか。

 楽天オープンでチケットが売れるとか、テニス中継が増えたとか、テニスライターの仕事が増えたとか、そんなわかりやすい因果関係ではない。

 日本男子テニスがどんどん強くなっているのだ。

 全仏オープンの本戦に5人の日本人男子が名を列ねた。錦織以下、30歳の添田豪、27歳の伊藤竜馬の3人が本戦ダイレクトイン、そして22歳のダニエル太郎と19歳の西岡良仁という若い2人が予選を突破しての本戦入りだ。西岡とダニエルは昨年の全米オープンに続く予選突破となる。

 グランドスラムの予選突破がどれほど大変なことか、それを理解するための例はいくつもある。たとえば、昨年のウィンブルドンでグランドスラム初出場を果たした杉田祐一は、実に18回目の予選出場にして初めての突破だった。また、1994年全豪オープンでの辻野隆三以降、2010年のウィンブルドンの添田まで、実に16年半の間に予選突破を果たしたのは、計4回成功した鈴木貴男ひとりしかいない。それを、2人が1年のうちに2回も果たしたのは特筆すべきことだ。

 そして、グランドスラムの本戦に5人もの日本人男子が出場したのは、1973年のウィンブルドン以来で、全仏オープンに限れば7人が出場した1967年以来となる(大会発表は6人だったが調べてみると7人いる。忘れられたらしい1人はATPのデータベースに国名が残されておらず、それほど今とは管理体制も異なる古い時代であったということを知る手がかりになる)。

日本は、チェコ、クロアチア、イギリスよりも上?

 5人という数字は、「日本としては多い」というだけではない。

 本戦に1人でも選手を出している国は、男子は43カ国。そのうちで1国5人という数字は8位タイである。出場選手のランキングや成績はともかく、その数だけ見れば、テニス大国チェコよりも、グランドスラム・チャンピオンを有するセルビアやクロアチアやイギリスよりも上なのだ。

【次ページ】 日本女子、ロシア、中国がこれまでブームになった。

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