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ロッシがマルケスの転倒を誘った?
ライバルとの「確執」という悪癖。 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2015/04/25 11:00

ロッシがマルケスの転倒を誘った?ライバルとの「確執」という悪癖。<Number Web> photograph by Satoshi Endo

今季2勝目を挙げたロッシ。ランキングでもトップに立ち、レース後はまさしく喜色満面の様子だったが、この先は若き王者の逆襲が彼を待つはずだ。

 MotoGP第3戦のアルゼンチンGPは、M・マルケスとV・ロッシの白熱した優勝争いとなった。というよりも、「白熱した戦いになろうとしていた」というのが正しいかも知れない。

 まさにこれからというときに、接触事故が起きてマルケスがリタイヤとなってしまったのだ。

 接触は、トップを走るマルケスにロッシが追いついたラスト2周に起こった。

 バトルの口火を切ったのはロッシ。自ら仕掛けてマルケスを抜くも、すかさずマルケスが抜き返す。再び前に出たロッシにマルケスが並びかけた時、2台のバイクが接触した。

 2人はややバランスを崩しながらも次のコーナーに向けて体勢を建て直しかけていたのだが、その直後に2人は再び接触。2度めの接触でマルケスは転倒してしまった。

 この接触シーンは審査委員会の審議の対象となったが、レーシングアクシデントとして不問となる。そしてライバルのいなくなったロッシは、ラスト1周半を悠々と走って今季2勝目を達成した。

 レース後の会見で、「2度の接触はマルケスのミス。彼はいつもイチかバチかの賭けにでるからね」と、熾烈なバトルの中でマルケスのミスで起きた接触事故だったことを強調した。

ペナルティ対象ではない、しかし意地の悪い走りだった。

 しかし、いろんな角度からの映像を見ると、ロッシの巧妙な作戦とテクニックに、マルケスがまんまとやられてしまったのではないかというのが僕の印象だ。

 空撮映像と正面からの映像を見ると、ますますその確信が深まる。つまり、接触は2回ともロッシがマルケスをブロックしたために起きたのである。

 こうした優勝争いで、抜かれないためにブロックラインを取るのは珍しいことではない。だから、ロッシのライディングがペナルティの対象にならないとした審査委員会の判断は良し、としよう。

 だがどちらのケースも、ロッシならではの高度なテクニックがなさせた意地の悪い走りだったように思う。

 マルケスにも油断はあったのだろう。

 ロッシのこうした動きをまったく予想せず、警戒もしていなかったことで、ロッシのリヤタイヤにフロントタイヤを接触させて転倒した。

【次ページ】 「バレンティーノは僕のヒーローだっていつも言ってきた」

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