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守備もオフザボールも、やればできる。
自らのイメージを裏切った宇佐美貴史。  

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/04/02 16:35

守備もオフザボールも、やればできる。自らのイメージを裏切った宇佐美貴史。 <Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

合宿中から岡崎のプレーに刺激を受けていると語っていた宇佐美。「(岡崎の)パスが来なくてもずっと続けてプレーしていく根気と、そこからチャンスにつなげる粘り強いところを見習っていきたい」

 すっかり春の陽気に包まれた、夕方の東京。西が丘サッカー場のピッチに、新たな日本代表の面々が円を描くように座り込んでいた。

 練習の最後に行われる、筋力トレーニング。何本も何セットも、マットの上でのメニューが続く。

 一人、苦悶の表情を浮かべている選手がいた。巡回するコーチに何度も体勢を修正されている。その後の取材ゾーンでは涼しい顔を浮かべていたが、宇佐美貴史にとって筋トレが苦手の部類に入ることは間違いなさそうだ。

 3月19日に行われた、日本代表発表会見。ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督がプロジェクターを使いながら見せた、プレゼンスタイルでのメンバー発表。そこで「ウサミタカシ」の名前が呼ばれた瞬間、会見場には「おお」という声が小さく上がるだけだった。

代表招集否定派にも共通していた“技術は一級品”の認識。

 ハビエル・アギーレ前監督時代は、何度も待望論が浮上しながらも、メンバーに入ることはなかった。「守備ができない」、「試合の中で、消える時間が多い」。そんな言葉がメディアやサッカーファンの中で飛び交っていたが、宇佐美が最後までアギーレジャパンに呼ばれなかった真の理由は誰にもわからない。

 ただ一つだけ、全員が共通して抱いていた認識がある。

“技術は一級品”

 パス、シュート、ドリブル。どれを取っても、彼のテクニックに難癖をつけられるところはほとんどない。彼が現在の日本代表選手たちと比べても、技術においては同等、いや優位に立てる存在であることは皆が認めていたことである。

 だからこそ、代表に入ったことはそれほど驚きでもなかった。いずれは入るべき選手、入ってもらわなくては困るレベルの選手。2年4カ月ぶりの日の丸はサプライズではなく、然るべき時が来たに過ぎなかった。

【次ページ】 12対12のミニゲームで、流れに取り残された宇佐美。

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