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引退する厩舎、騎手の最終日は狙い?
2人の調教師の花道は飾られたのか。 

text by

阿部珠樹

阿部珠樹Tamaki Abe

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photograph byKyodo News

posted2015/03/04 10:30

引退する厩舎、騎手の最終日は狙い?2人の調教師の花道は飾られたのか。<Number Web> photograph by Kyodo News

武豊に初めてのダービーをもたらしたスペシャルウィークは、白井寿昭調教師の管理馬だった。最後に再びこのコンビが見られたことは、ファンにとっても幸せだったに違いない。

競馬の厳しさを見せつけたのもまた、盟友だった。

 だが、白井調教師は「これが競馬ですよ」と笑顔で自分の馬を迎えていたそうだ。花道を阻んだ福永はかつて白井調教師とともに、メイショウボーラーをダート路線に転向させて、GI勝ちにまで導いたことがある。ユタカも名コンビだったが、ユーイチも名コンビだったのだ。その盟友に競馬のきびしさを見せつけられたのだから、白井調教師も満足だったのではないか。

 3着にはやはり引退する鈴木調教師のトーセンハルカゼが入った。引退する調教師はモチベーションの維持がむずかしい。この日勝っても、つぎはない。明日には自分の手元を離れる馬を勝負になるほど厳しく鍛えるのはだれでもできることではない。しかし、白井調教師にしても鈴木調教師にしても、このレースは新聞でいう「渾身の仕上げ」で臨んでいたことがよくわかった。立派な終幕だった。

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松永幹夫
トーセンハルカゼ
白井寿昭
鈴木康弘

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