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JRAの“甘さ”が露呈!? ピンクブーケ事件、その後。
~薬物検査機関の落ち度は……~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/03/07 10:30

JRAの“甘さ”が露呈!? ピンクブーケ事件、その後。~薬物検査機関の落ち度は……~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

“処分なし”の小西師。ピンクブーケは3歳未勝利戦のリミットである秋までに復帰なるか。

 昨年12月7日の中山競馬の新馬戦で21年ぶりに起きた禁止薬物事件が、釈然としない終局を迎えようとしている。

 1着でゴールしたピンクブーケ(牝、当時2歳、美浦・小西一男厩舎)から採取された検体から、興奮剤のカフェインが検出されたことがレースの3日後に発表され、競馬法違反の疑いで船橋警察署に通報されたところまでは法に則った動き。競馬施行規程によって同馬は失格となり、一旦は交付された1着賞金700万円ほかの諸手当も没収された。

 ところが、トレセン内の薬局(JRAファシリティーズ株式会社)において同馬を担当する調教助手が購入した「サイペット」という競走馬用のサプリメントに禁止薬物の原因物質が含まれていたと特定され、それが競走馬理化学研究所の検査をパスしていたことが確認されてからは、続報がプツンと途絶えてしまっていた。事件発覚翌日の出馬投票こそ自粛させられた小西厩舎だったが、1週間休んだだけで、翌週からは“通常営業”。状況から見て、厩舎に落ち度がないのは早い時期からJRAも推察していたはずだ。

 裁定委員会の発表は2月18日。2カ月以上の時間をかけて、「カフェインは飼料添加物の製造過程で混入していたものであり、国内における流通過程を含め第三者等の関与は認められませんでした」が結論。小西調教師と担当調教助手には一切の処分を行なわないとされた。船橋警察署から「競馬法違反としての事件性はない」との判断が下りたことを受けたもので、至極当然の裁定であった。

競走馬理化学研究所は検査料を徴収しているはず。

 しかしである。製造元が米国の会社であることで処分が及ばないとしても、検査機関の落ち度が言及されないのはおかしい。競走馬理化学研究所はロットごとに発売元から検査料を徴収しているはずで、どこで製造されたものであろうと禁止物質を見逃した責任はある。JRAは子会社組織に甘いと言われたくないなら、そのへんは逆にしっかりするべきだろう。

 哀れなのはピンクブーケだ。その後の出走がないと思ったら、左第3中足骨骨折という悲報。クラシックも狙える鮮やかな新馬戦の勝ちっぷりだっただけに、その運命を呪いたくなるほどだ。

 JRAはファシリティーズ社に、「厩舎、馬主の不利益に誠心誠意対応するように」指示をしたという。

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