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セリエAの最強ドリブラーに名乗り。
パレルモの21歳、ディバラの衝撃。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/02/04 10:40

セリエAの最強ドリブラーに名乗り。パレルモの21歳、ディバラの衝撃。<Number Web> photograph by AFLO

そのプレースタイルから「アグエロ2世」と呼ばれるディバラ。すでに本家を超えそうな活躍だ。

3年前、18歳のディバラはまったくの無名選手だった。

 3年前、母国アルゼンチンの2部クラブからシチリア島へ渡ってきたとき、18歳のディバラはまったくの無名選手だった。

 '12-'13年シーズンに、セリエAデビューを果たした。27試合に出て、3ゴールを決めたけれど、パレルモは力なく降格した。

 チームがセリエBを戦った昨季、ディバラは負傷で長く戦線を離れた。それでも彼には、這い上がる力があった。

「サッカーは、家族を養うために汗をかく重労働」

 ディバラの父は彼が15歳のときに、3人の息子のうち誰か一人でもプロサッカー選手に、と言い残して世を去った。兄2人が夢破れ、末っ子パウロに遺志は託された。

 4年前、まだアルゼンチンにいたディバラがインスティトゥートという2部クラブのトップチームとプロ契約を結んだとき、年俸は最低賃金にあたる4000ペソに過ぎなかった。17歳だった少年は、自らが大人の世界に足を踏み入れたことを悟った。

「アルゼンチンの2部リーグに富なんてない。サッカーは、家族を養うために汗をかく重労働そのものだった」

 若くとも、意志の強さは筋金入りだ。

 セリエAへ再挑戦するチャンスを得た今シーズン、ディバラは躊躇うことなくシュートスポットへ突っ込む。

 しかし、無闇にシュートを放っているわけではない。前半戦を終えた時点で、パレルモの枠内シュート成功率40.26%は、リーグトップの数字だった。若きエースストライカーは、3-5-1-1の前線でコンビを組む同胞の相棒バスケスとの「阿吽の呼吸」を自画自賛する。

 さらにチームを率いるイアキーニは、ディバラを含め選手たちの信頼を集める指揮官だ。

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