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ミランの新布陣と本田の左サイド。
2015年リーグ戦初勝利の舞台裏とは。

posted2015/02/02 12:30

 
ミランの新布陣と本田の左サイド。2015年リーグ戦初勝利の舞台裏とは。<Number Web> photograph by AFLO

パルマ戦でメネズのゴールを祝福する本田。7日に試合を控える首位ユベントスとは今季1度対戦して0-1で負けているが、雪辱なるか?

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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AFLO

 ようやく、勝ち星がミランへ戻ってきた。

 監督インザーギは、MF本田圭佑のリーグ戦復帰初戦となった2月1日の21節パルマ戦で、新獲得選手と新戦術4-4-2を投入し、3-1で2015年のリーグ戦チーム初勝利を収めた。

 本田自身は、パルマ戦でゴールやアシストといった目に見える形で結果を残すことはできなかった。

 だが、アジアカップ後のチーム再合流から日が浅いにもかかわらず、即先発フル出場で起用されたことが、指揮官の揺るぎない信頼の証だった。

 現在、ミランが置かれている状況は、12月以前と比べると相当に厳しい。

 アジアカップのために本田がイタリアを離れていた1月の間、ミランは底なし沼の窮状に陥っていた。

 年明けの17節サッスオーロ戦で1-2の逆転負けを喫し、辛うじてドローに持ちこんだトリノ戦を挟んで、18日のアタランタ戦と24日のラツィオ戦でも敗れた。

 ラツィオ戦での暴力行為により、DFメクセスが4試合出場停止処分を受け、チームのモラルも地に落ちた状態に。名誉会長ベルルスコーニは苛立ちを隠さず、監督インザーギの解任がまことしやかに囁かれた。

本田不在でゲームメイクが崩壊していたミラン。

 中2日でラツィオと再戦したコッパ・イタリア準々決勝にも、0-1で敗れた。PKを与えた挙句、退場者を出した相手を攻め崩せないままの大会敗退を『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙は「攻撃の形がまったく作れない。末期的状況」と厳しく批判した。

 FWエルシャーラウィやDFデシーリオらスタメンクラスの選手たちが次々に負傷離脱し、リーグ戦の順位は二桁にまで落ちた。ミランが一つの勝ち星も得ることなく1月を終えたのは、1941年以来の非常事態だった。

 低迷の原因は多岐にわたるが、グラウンドの中だけに絞れば、最も危機的状況にあるのは、組み立て能力に欠ける中盤だといえる。

 インザーギが重用する優男の主将モントリーボも、アンカー役のデヨングも、そして意外性の男ムンタリも、プレービジョンを伴う展開力は持ち合わせていないのだ。本田不在は、ミランに重くのしかかった。

【次ページ】 必勝を期した4-4-2の新戦術。

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