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「お疲れさま」を言うにはまだ早い。
可夢偉を襲う、3度目の“危機”。 

text by

尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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posted2014/12/07 10:40

「お疲れさま」を言うにはまだ早い。可夢偉を襲う、3度目の“危機”。<Number Web> photograph by AFLO

ケータハムでの2014年は全19戦中16戦を戦い最高位は13位。獲得したポイントはF1参戦5シーズン目で初めてのゼロだった。

「お疲れさまでした」にはまだ早い。

 それでも可夢偉は、ここでステアリングを置くつもりはない。彼にはまだF1の世界でやり残したことがあるからだ。

「表彰台に上がったから、もういいじゃないかと言う人もいるけど、1回だけでいいからトップチームのマシンに乗ってレースをしたかったという気持ちはいまでも持っている。優勝したいとか結果が欲しいわけじゃなく、トップチームで走ってみて自分の腕がホンマにどんなもんなのかを見てみたかった。結局、中団チームでずっともがき続けていたからなあ……」

 その気持ちは、多くの人たちも同じだろう。同時にまだ見ぬ、日本のモータースポーツファンの夢でもある。

 だから、いまはまだ「お疲れさまでした」とは言うまい。可夢偉は、落ち着くにはまだ早すぎるから。

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小林可夢偉
ケータハムF1チーム
中嶋悟

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