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「ベストアワード」に輝く王者・ハミルトンの“進化”。
~今宮純の2014年・F1アワード~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2014/12/17 10:00

「ベストアワード」に輝く王者・ハミルトンの“進化”。~今宮純の2014年・F1アワード~<Number Web> photograph by Getty Images

2014年最終戦アブダビGPで勝利、2008年に史上最年少でチャンピオンになって以来2度目の王座を獲得したハミルトン。

 レギュレーション大改革の今年、1600cc直噴V6ターボのパワーユニット(PU)を3年前から開発してきたメルセデスが新時代を切り拓いた。19戦16勝の強さは、シャシーの完成度とPUの回生パワー&トルク性能の証明。名門メーカーチームの2冠制覇は、’07年フェラーリ以来の快挙である。

 さて年末恒例の「アワード」だが、今年は悩むことなく決まった。最多11勝の王者ハミルトンは勝ったレースよりも、むしろ中盤戦に後方から粘り強く追い込んで3位を得たドイツ、ハンガリーGPで進化を感じさせた。6年も間を置き、異なるチームで2度目の戴冠を達成した例は少なく、速さで押しまくるスタイルからの脱却が勝利の鍵だった。

 席巻するメルセデス勢にやや劣るルノーPUで、レッドブル加入初年度のリカルドは、めざましいオーバーテイクを随所で決めた。抜きどころではないコーナーでアウトから抜き去る能力は秀逸だ。フェラーリを去るアロンソは今季未勝利、5年でPP4回だったが、跳ね馬に鞭打って絶妙なパフォーマンスを見せた。エンジニアリング特化時代に、彼の存在感が光る。ベストアップデートはウイリアムズ・チーム。これは2年目で表彰台に6回上がったボッタスの貢献によるものだ。

ロベズルグの研究心、ビアンキのファイトにも高評価。

 ロズベルグはハミルトンに負けた。しかしPPは最多の11回。“1周の完成度”を極める緻密さと研究心を評価しよう。ロシアからきた新人、20歳のクビアトには、あのクイックなステアリングアクションに開幕戦から衝撃をうけた。タイヤ管理など、今後学ぶべき課題を残すが未完の大器だ。

 苦しいチーム環境でも、モナコGP9位で初入賞したビアンキのファイトは鬼気迫るものがあった。その彼と中盤までバトルを繰り広げた小林も、最終戦でリタイアしたものの、一時は入賞目前の11位で力走。画面に映らずとも“金欠ケータハム”でドライバー力をアピールし、最悪のシーズンを彼なりに締めくくった。

 11年ぶりに復活したオーストリアGPでのおもてなしに驚いた。周辺の渋滞には閉口したが、コースを一望できるメディアルームとホスピタリティー施設は最高レベル。ベストレースはハンガリーGP。1位リカルドと2位アロンソがメルセデス勢を阻んだ戦いを選びたい。

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