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新関脇と小結の活躍が博多っ子を熱狂させるか。
~逸ノ城、碧山、勢が挑む九州場所~ 

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byKYODO

posted2014/11/13 10:00

新関脇と小結の活躍が博多っ子を熱狂させるか。~逸ノ城、碧山、勢が挑む九州場所~<Number Web> photograph by KYODO

「関脇が元気な場所はおもしろい」といわれる大相撲。11月の九州場所では、ふたりの新関脇が登場した。西関脇は、先の9月場所で新入幕ながら13勝、優勝争いを盛り上げた逸ノ城。かたや東の関脇は、ブルガリア出身の碧山だ。192cm、197kgの体躯は、逸ノ城にも匹敵する迫力で、師匠である春日野親方(元栃乃和歌)も、「馬力はピカイチでしょう」と太鼓判を捺す。右四つを得意の型としているが、そのパワーを駆使した突き押しの威力も驚異的だ。

 約2年で十両にスピード出世し、2度の小結経験を持つが、いずれも負け越した経験がある。「重心を低く、もっと腰を割った相撲を。はたかれて前に落ちないよう下半身の強化も大事」と周囲から言われ続けてきたという。いまなお克服中だが、なにより素直な性格で、稽古熱心な碧山。熱の入った稽古後に、たびたび口周りに傷をつくり、痛々しく血を滲ませていた姿を思い出す。

「いつものことです。思い切りぶつかっていくと、歯が皮膚を貫通しちゃうんですよ」

 そう、こともなげに口にしていたものだった。

先場所で土をつけられた勢に、逸ノ城はリベンジを期す。

 そして、いまや時の人ともなった逸ノ城は、場所前に患った帯状疱疹による入院生活が響き、稽古不足を否めないまま場所を迎えた。しかし、「稽古の貯金」と持ち前のパワーで、再びの“怪物旋風”が期待される。ちなみに、先場所で批判を呼んだ「立ち合い変化」はもう封印。「前に出る相撲に徹する」と宣言して臨む場所だ。

 もうひとりの注目は、新小結となった勢。これまた195cmの恵まれた体躯を武器に、じわじわと番付を上げてきた。「まだ相撲にムラが多い。相手に合わせず自分のペースに持ち込むのが課題」とある親方はいう。

 しかし、先場所では、白鵬以外に唯一、逸ノ城から白星を挙げたのがこの勢だった。逸ノ城は、黒星を喫したこの2番を悔しがり、録画ビデオを繰り返し見て研究したそうだ。

「負けた相手には、もう二度と負けたくない」と、リベンジに燃えているのだという。

 近年、不入りの続く九州場所だが、チケットの売れ行きは上々。新関脇と小結の“元気”が、博多っ子を熱狂させるか。

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