SCORE CARDBACK NUMBER

期待の日本人関取は“中卒の叩き上げ”。
~20歳のイケメン力士、輝大士~ 

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

PROFILE

photograph byKYODO

posted2014/10/27 10:00

十両昇進が決まり親方と会見をする輝。「名前に負けないように頑張る」と力強く語った。

十両昇進が決まり親方と会見をする輝。「名前に負けないように頑張る」と力強く語った。

 弱冠20歳、期待の日本人関取が誕生した。達綾哉(たつりょうや)改め「輝大士(かがやきたいし」が、新十両昇進を決めたのだ。

 '09年度の全国都道府県中学生選手権では、団体戦と個人戦を制し、卒業後は元安芸乃島率いる高田川部屋の門を叩く。入門時、すでに身長193cm、体重145kgの恵まれた体躯で注目を浴び、前相撲から約1年半で順調に幕下に昇進。

 その後の3年間は幕下の地位ではね返され、突き抜けられずにいたが、ここ8場所で、4勝3敗が6度、5勝2敗が2度と、着実に勝ち越しを続け、じわりじわりと番付を上げた。遠藤や逸ノ城らが幕下付け出しデビューし、スピード出世を果たすなか、『中学卒の叩き上げ力士』の待望の昇進だ。

 そんな愛弟子に、師匠が太鼓判を捺す。

「もっと早く上がってもよかった。いい体格はしているけれど、まだ『子どもの体』だったからでしょう。幕下を3年経験するなかで地力がついたようです」

 輝いわく、「立ち合いから当たって前に出る、後ろに下がらない」正攻法の取り口を身上とし、これからも磨いていきたいという。さらに師匠は「器用だからまわしを取ってもいい。立ち合いの当たりをもっと強くして、ぶっ飛ばして突くもよし、差すもよしとなれば、相手も相当怖いはず」と話す。

遠縁の元横綱・輪島の「大士」にあやかって。

 相撲どころの石川県七尾市出身である。同郷出身の元横綱輪島の遠縁にあたり、四股名の「大士」は、輪島大士(ひろし) の名にあやかった。さらに地元にちなみ、来年3月に開業する北陸新幹線「かがやき」から命名した。遠藤は、中学校の4年先輩にあたる。「後輩として、先輩を倒すように早く上がって行きたいです」と、遠藤にも負けないキリリとしたマスクでキッパリと言い切る姿に、師匠が後押しをする。

「十両と幕内と、今は番付が離れているけれど、上がればあっという間ですからね。パパーッと早く追いついてほしいよ。早く幕内で戦ってもらいたい」

 ちなみに「かがやき」は、北陸新幹線の列車4種のなかでも、最速スピードを誇るという。幕下時代は“各駅停車”に乗っていたかのような輝は、頼もしい口調で目標を口にした。

「やるからには横綱を目指します」

 全速力で“目的地”まで駆け抜けるか。

関連コラム

ページトップ