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斎藤佑樹が確かめた理想のピッチング。
~CSの裏で見出した2つのポイント~ 

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/11/08 10:30

斎藤佑樹が確かめた理想のピッチング。~CSの裏で見出した2つのポイント~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

今季の一軍でのラスト登板は9月29日の西武戦。5回を2安打1失点で勝利投手となった。

 あまりにも寂しい光景だった。観客は30人から40人程度だったろうか。ファイターズが日本シリーズ出場を懸けて戦った福岡には、その1000倍の視線が注がれていたというのに、宮崎でのこの試合は、テレビ中継もなければ、テーブルスコアが新聞に載ることもない。

 10月21日、CSの勝者がホークスに決まった翌日。ファイターズの背番号18、斎藤佑樹がマウンドへ上がった。舞台はCSではなくフェニックス・リーグ。相手は韓国のハンファイーグルスだった。

 この試合、斎藤は立ち上がりから1点ずつを失ったものの、徐々にリズムを取り戻す。スライダーのコントロールに苦しみながらも、力のあるまっすぐを軸に6回を3点にまとめてマウンドを降りた。斎藤は試合後、こう言っていた。

「今のテーマは、右バッターにも左バッターに対してもインサイドへ投げるコントロールと、低めのまっすぐをいかに力を抜いて投げられるかということです」

「重心を低く保ち、正確にラインを出す」大隣を参考に。

 今夏、頭の中に点在していたいくつかのイメージがようやく整理され、目指すべきフォームが明確になった。そのフォームが固まってきてから、斎藤のピッチングには二つの利点が生まれる。一つはリリースポイントが高く、バッターに近くなったことで、低めへのストレートの威力が増したこと。もう一つはマウンドでの不安が消え、自信がみなぎってきたことだ。今シーズンは6試合に先発しただけで終わり、2勝1敗という不本意な数字が残った。首脳陣の信頼を勝ち取ることができずにCSでの登板機会もなかったが、自らのピッチングに手応えを感じているからか、斎藤の表情は明るい。

「昨日の第6戦、テレビで観てました。残念でしたけど、でも大隣(憲司)さんのピッチング、凄かったですね」

 130km台でも、紙飛行機のようにスーッと伸びるストレートの軌道。ベースの両側をなぞる正確なコントロール。今年の大舞台には立てなかったが、目指すべきピッチングの方向性を、敵のピッチャーに重ねて確かめることができた。

「重心を低く保ったまま、正確にラインを出す(体重移動をする)ことで、ああいうボールが投げられると思うんです」

 登板後の斎藤は、宮崎の野球少年たちに囲まれ、彼らが差し出す野球帽に次々とサインペンを走らせていた。

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北海道日本ハムファイターズ

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