走りながらも、止まらない母のマシンガントーク。

　レースでも3人は同じペースで走るのですが、祖母に合わせているので、私や母にはそれなりに余裕があります。するとやはり出てきたのが、母のおしゃべり（笑）。

　母は、皇居を含め東京で何度か私と走ったことがあるので、ある程度の知識や情報があります。あれは毎日新聞社ビルだとか、国会議事堂だとか、私が教えた皇居の知識を、これまた得意げに披露していきます。祖母は「ああそう」と省エネなリアクションでしたが、それにめげずに母のマシンガントークは続きました。

　すると今度は「彩ちゃん、ちゃんと聞いてる？」とこちらに矛先が。とっさに「聞いてるも何も、私が教えたことじゃん！」と言い返すと「それを、お母さんが覚えてることがすごくない？　お母さんは、彩ちゃんが教えてくれたこと何でも覚えているし、なんでもやってみるのよ。このランニングだってそうでしょ。云々……」と、逆に母の口に火をつけてしまったようです。

　母のトークはヒートアップし、「言い返さなければ良かった……」と30度を越える暑い中で大反省。走るのは私の方が速いはずですが、口の体力は永遠のようです（笑）。

声をかけてくれるボランティアに「どうもすみません」。

　レースに欠かせないのが、ボランティアの皆さん。1kmごとにボランティアのお兄さんたちが立って、ランナーたちの安全管理と応援をしてくれています。ボランティアの方が、「頑張ってください！　あと5kmです～」と声をかけてくれるのは、良く見る光景ですね。

　レース初体験の祖母はその度に、わざわざ手を挙げて「どうもすみません。ありがとうございます」と丁寧に御礼しながら走っていました。

「しんどかったら別に挨拶せんでも、大変なのは分かってくれてはるから大丈夫やよ」と私が言うと、「あの人たちが励みになるのよ～。あの人らも暑いのに、あんなとこ立って偉いわ～」と祖母。大阪マラソンの42.195kmでこれを42回やれるかなと、本番に向けて楽しみになってきました。やりすぎかとも思いましたが、「どうもすみません」というのも79歳らしいのかもしれませんね。

【次ページ】　ペースの違いで祖母と母が喧嘩!?