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着実にNBAに満ちている、カナダをめぐる“熱気”。
~選手、チームともに躍進の予感~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2014/07/14 10:00

着実にNBAに満ちている、カナダをめぐる“熱気”。~選手、チームともに躍進の予感~<Number Web> photograph by Getty Images

 NBAでは今、カナダが熱い。それを象徴する存在が、6月26日のドラフトでクリーブランド・キャバリアーズにトップ指名されたアンドリュー・ウィギンズだ。トロント生まれのカナダ人で、父は元NBA選手、母は元陸上選手で五輪メダリストというエリート・アスリートの血筋を引く、注目の選手だ。

 カナダ人選手はウィギンズに限らない。昨季は8選手がNBAでプレーしていて、これはアメリカ以外の国では2番目に多い。今年のドラフトではウィギンズを含めて1巡目3人、2巡目1人、計4人のカナダ人選手が指名された。しかも、去年も首位指名はカナダ人選手だったから、2年連続でアメリカ人を差し置いて首位指名されたことになる。数だけでなく、質も上がってきている証拠だ。

 熱いのは選手だけではない。今春、トロント・ラプターズがプレイオフに出場したときには、会場に2万人、アリーナ前の広場に1万人のファンが詰めかけて、熱狂的に応援していた。アメリカと比べてバスケットボール熱が低いと言われてきたカナダだが、それも少しずつ変わりつつあるようだ。

ウィギンズと“カナダ人の誇り”ナッシュの幸福な関係。

 実はラプターズとウィギンズは、共に'95年に誕生した。翌'96年には、カナダ人NBA選手の先駆者で、後に2度のMVPを受賞するスティーブ・ナッシュがNBA入りしている。つまり、ウィギンズや、彼と同年代の選手にとっては、物心がついた頃からテレビをつければラプターズの試合が流れ、同じカナダ人のナッシュがNBAで活躍するのを見て育ってきたわけだ。憧れの舞台や、目標とする選手が身近にあったということと、カナダ人選手の台頭は無縁ではない。

「僕らはみんな、NBAでプレーしたいと思っていた。それが子供の頃の目標だったんだ」とウィギンズも言う。

 そんな彼らを、ナッシュは「親戚のおじさんのように誇らしい気分」と見守る。実は、ナッシュは2年前からカナダ代表のGMを務めている。NBAで現役を続けながらも代表GMを引き受けることにしたのは、カナダの若手選手たちの助けになりたいと思ったからだという。

 シドニー五輪以来、オリンピックの舞台に立てていないカナダだが、東京五輪の頃には世界の頂点を狙えるチームになっているだろうか。今から楽しみだ。

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