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予想外のファイナル完敗に、ジェイムスが認めた“事実”。
~孤軍奮闘も逃したNBA3連覇~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byYukihito Taguchi

posted2014/06/23 16:30

予想外のファイナル完敗に、ジェイムスが認めた“事実”。~孤軍奮闘も逃したNBA3連覇~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 レブロン・ジェイムスは、顔を上げ、まっすぐ前を向いて速足でコートを後にした。

 ジェイムス率いるマイアミ・ヒートが、NBAファイナルでサンアントニオ・スパーズに1勝4敗と完膚なきまでに叩きのめされ、3連覇を達成できずにシーズンを終えた直後のことだ。負けたものの、ジェイムスは4年連続でNBAファイナルに出場し、2回優勝したチームとしての誇りを忘れたくなかった。

 それにしても、予想外の完敗だった。1年前、激戦の末にヒートが優勝した時と同カードだっただけに、互角の戦いが期待された。しかし、シリーズが進むごとにスタイルを完成させていったスパーズに対して、ヒートはなす術なく、打った手もまったく効果ないまま、自分たちのアイデンティティも失って崩壊。第3戦以降の3試合はすべて、それぞれ17点以上の大差をつけられてしまった。

 ジェイムス自身の出来は悪くはなかった。平均で28.2点、7.8リバウンド、4.0アシストと、誰よりも安定した活躍をした。最終戦となった第5戦では、試合前にチームメイトたちに「僕のリードについてきてくれ」と発破をかけ、試合序盤からアグレッシブに攻め1Qだけで17点、6リバウンドをあげた。

「チームメイトたちを鼓舞して、勝利に結び付けたかった」とジェイムス。

「スパーズは、バスケットボールのあるべき姿だった」

 しかし、彼についてくるチームメイトがいなかった。2Qに逆転されて引き離されると、追い上げる余力もなく万事休す。疲労、スパーズのディフェンス、選手層の厚さの違いなどによって、結果的にジェイムスが孤立状態になってしまった。

 それでも、ジェイムスは仲間を批判することはしなかった。

「チームメイトの誰にも失望はしていない。ただ、チームとして僕らがもっといいシリーズを戦えていたらよかったとは思っている」と、あくまで、自分も含めた問題だったと強調した。

 皮肉なことに、ジェイムスが理想とするバスケットボールを目の前で繰り広げていたのが、スパーズだった。

「彼らのほうがいいチームだった」

 対戦中には決して口にしなかった事実を、ジェイムスも最後には認めた。

「スパーズは、チーム・バスケットボールのあるべき姿を体現していた」

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