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速さ異次元のマルケスは今季いくつ記録を作るか。
~ホンダに跨ってモトGP6連勝~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2014/06/10 10:00

更新が最も期待される記録は、1997年にM・ドゥーハンが記録したシーズン最多勝利12勝だ。

更新が最も期待される記録は、1997年にM・ドゥーハンが記録したシーズン最多勝利12勝だ。

 昨年、最高峰クラスの史上最年少チャンピオン記録を30年ぶりに塗り替えたM・マルケスが、モトGPクラス2年目の今季も破竹の快進撃を続けている。イタリアGPで6戦連続となるポール・トゥ・ウイン。すでにして2連覇の可能性は高く、昨年同様、今年もマルケスの新記録ラッシュのシーズンとなりそうだ。

 王者のさらなる進化は、今季の自在なレースコントロールに見てとれる。序盤からトップを独走するレースもあれば、タイヤの不安などで序盤は無理をせず、終盤にスパートするレースもある。5勝目を挙げたフランスGPでは、オープニングラップで他車との接触を避けるためにオーバーランして10番手まで順位を落としたが、そこから追い上げてトップに浮上する強烈な走りを見せつけた。

「今日は長いレースになると思っていた。でも、1周目にポジションを落としたので、それから全力で走った。たくさん抜けたし、すごく楽しかった。見ている人は簡単に勝ったように見えたかも知れないけれど、今日も100%で走ったよ」

ロッシ、ストーナーと共通するライダースキルの高さ。

“長いレース”とはトップ独走の退屈さを言い表している。“簡単に勝ったように見えたかも”というコメントが発せられたのは今季2度目だが、言葉通り簡単に勝っているようにしか見えず、アドバンテージが相当あることを感じさせる。

 こんなに強さを発揮したチャンピオンの出現は、近年ではV・ロッシとC・ストーナー以来。3人に共通しているのは、マシンの速さをアドバンテージに変えるライダースキルの高さだ。通常、マシンの加速の良さと最高速の高さは、乗りにくさにつながる。しかし、天才と呼ばれるライダーが操れば、これほど強烈な武器はない。かつてロッシは、モチべーションを維持するため、3連覇したホンダから11年間無冠のヤマハに移籍し、タイトルを4度獲得した。強すぎるがゆえの逸話だが、マルケスにもそういう時が来るのかも知れない。

 そのマルケスが5月半ばにホンダとの契約を2年延長した。今年を含めてあと3年はホンダの速さを武器に勝ちまくるだろう。最大のライバルと目されたJ・ロレンソの低迷がマルケスの独壇場に拍車を掛けているのも事実。チャンピオンシップの面白みには欠けるが、しばらくは破格の王者の活躍を楽しみたい。

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