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20年走り続けた名選手が、引退を決意した理由。
~8耐で優勝3回、C・エドワーズ~ 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2014/05/10 10:30

20年走り続けた名選手が、引退を決意した理由。~8耐で優勝3回、C・エドワーズ~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

40歳での引退表明。彼に次ぐ高齢の選手は、かつてのチームメイト、35歳のV・ロッシだ。

 スーパーバイク世界選手権(WSB)で2度のタイトルを獲得、鈴鹿8時間耐久レースで3度優勝を果たし、日本のファンにも馴染みのあるC・エドワーズが、地元テキサスで行なわれたアメリカズGPの記者会見で、今季限りの引退を表明した。

 エドワーズは'95年にヤマハからWSBにデビュー。'98年にホンダに移籍して、'00年と'02年にタイトルを獲得した。'03年にはアプリリアからモトGPに参戦するが、トラブル続きで満足にレースが出来ず、'04年にホンダのプライベートチームに移籍して総合5位。この成績が評価されて、'05年にはヤマハ・ワークスに移籍。以降、モトGPのトップライダーとして長らく走ってきた。

 だれからも愛されるアメリカンらしい快活な性格。会見場ではウイットに富んだ語り口で常に周囲を笑いの渦に巻き込んできたが、引退表明の際は真摯な言葉を並べた。

「この1カ月、悩みに悩んだ。自分の人生にとってレースはすべてだったからね。でも家族と話し合って、引退を決めた。いまのバイクは、これまで自分が経験してきたものとは違う乗り方が要求される。それに適応できなかった。今年のウインターテストは、自分にとっては、本当に厳しい時間だった」

名勝負として語り継がれる'02年のWSBイモラ大会。

 これまで涙とは無縁のライダーだったが、このときばかりは目に涙を浮かべた。会見場にいる者すべてが立ち上がり、20年間にわたり2つの世界選手権に挑み続けたエドワーズに大きな拍手を送った。

 エドワーズの愛称は“テキサス・トルネード”。選手として全盛の頃は、ビッグパワーのマシンをねじ伏せ、闘志溢れる豪快な走りでファンを魅了した。だが、この数年は電子制御の進化でライディングも大きく様変わりしていた。

 ベストレースは'02年のWSBイタリア・イモラ大会。最終戦決着となったT・ベイリスとの壮絶な優勝争いは、先に引退したベイリスも自身のベストレースと語り、レース界の名勝負として多くのファンに記憶されている。熱くもフェアな走りでWSB通算31勝。モトGPでは表彰台に12度立ったが優勝はない。それでも、ファンの記憶に残る名選手である。引退まで16レース。彼の最後のシーズンをしっかり見届けたい。

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