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6年ぶりのプレイオフへ。
ラプターズを支えた“同志”。
~デローザン&A・ジョンソンの友情~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2014/04/13 10:30

快挙を喜んで互いの手を重ね合わせた、ベテランコンビのデローザン(左)とジョンソン。

快挙を喜んで互いの手を重ね合わせた、ベテランコンビのデローザン(左)とジョンソン。

 トロント・ラプターズが、6年ぶりにプレイオフ進出を決めた。1月上旬以降は勝率5割以上で勝ち星を増やしており、ほぼ確定していたとはいえ、3月28日、ホームで行われたセルティックス戦に勝って正式にプレイオフ出場を決めると、選手もファンも歓喜に沸いた。

 NBAにおいて6年という年月は果てしなく長い。何しろ、前回プレイオフに出たときの中心選手は、ヒートに移籍する前のクリス・ボッシュだった。ボッシュだけではない。当時の選手、コーチ、GMは、この間に全員入れ替わっている。地元ファンにとっても、プレイオフの記憶は遠い昔のことになりつつあった。

 セルティックス戦で勝敗を決するシュートを決めたのは、偶然、最も長くチームに在籍しているデマー・デローザンとアミア・ジョンソンの2人だった。デローザンは’09年6月にラプターズにドラフト指名され、ジョンソンはその夏にトレードでラプターズに加入。それから5シーズンの間、支え合い、プレイオフを目指して戦ってきた。

「このチームに一番長くいる僕とデマーが大事な場面でシュートを決めたのは本当に偶然だったけれど、それでも自分たちの手でプレイオフをつかむことができて嬉しい」とジョンソンは喜んだ。

LA出身の2人が、厳寒の地・トロントで得た“温もり”。

 実は、2人は出身も同じロサンゼルス。アメリカ西海岸の温暖な地から、4000km離れ、国境も越えた厳寒の地にあるNBA唯一のカナダのチームに入ることになり、当初はカルチャーショックもあった。特にデローザンはラプターズに指名されて初めてパスポートを取ったというから、何もかも、新しい経験ばかりだった。今では「トロントとロサンゼルスの違いは冬の寒さだけ」と断言するほど、トロントの街に慣れ親しんでいる。

 慣れない土地、新しい環境で、結果が出ない中でも努力し続けることができたのは、勝てないときでも応援してくれた地元ファンの温かい声援があったから。そして、苦しいときでも、お互いに「今、諦めるわけにはいかない」と言い合い、努力している姿に刺激を受け合った同志がいたから。デローザンは言う。

「アミアといっしょにできたのが嬉しい。この先25年ぐらいたってから今を振り返り、自分の子供たちに見せたときに、自分たちがやったんだと自慢したい」

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