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今年の選抜は本命不在で“混戦”か!?
初戦の好カードと注目選手総まとめ! 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/03/19 10:30

今年の選抜は本命不在で“混戦”か!?初戦の好カードと注目選手総まとめ!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

3月14日に行なわれた組み合わせ抽選会で対戦が決まった、智弁和歌山・長壱成主将(左)と明徳義塾・岸潤一郎主将。4日目(24日予定)の第3試合、優勝候補同士が激突する。

沖縄尚学vs.報徳学園は機動力と攻撃力の勝負。

 3日目の第1試合、沖縄尚学vs.報徳学園も面白い。報徳学園は昨秋の近畿大会では1回戦の関大北陽戦が8-6、準々決勝の福知山成美戦が1-0、準決勝の智弁和歌山戦が8-16とチームの傾向が掴みづらいが、4番岸田行倫(3年・捕手)を中心とした攻撃陣の波状攻撃と、チーム89盗塁に象徴される機動力野球には定評があり、上位に進出する力は十分に備えている。

 対する沖縄尚学は昨秋の全国大会、明治神宮大会を制覇した勢いがある。同大会の決勝は0-8とリードされながら7回裏に3点入れ、さらに8回には打者11人を送り込む猛攻で6点を奪うというミラクルぶりを発揮。投手力は山城大智(3年)が先発、久保柊人(3年)が救援と役割分担がしっかりでき、沖縄勢に特有の全力疾走も備えている。優勝候補の一角と言ってもいいだろう。

優勝候補同士の一戦、明徳義塾vs.智弁和歌山に注目。

 Bブロックには、10回以上の出場回数を誇る古豪・強豪が集中した。その中でも全国的な知名度を得ている智弁和歌山と明徳義塾が1回戦で激突する。大げさでなく、今大会の覇権の行方を左右する一戦と言っていい。

 '02年の選手権決勝で明徳義塾が7-2で勝って以来12年ぶりとなる対戦は、明徳義塾が投打のバランスでわずかに上を行く。明徳義塾が防御率1点台の岸潤一郎(3年)を中心に固いディフェンスを誇るのに対して、智弁和歌山はチーム打率.356の強打で対抗するが、明徳義塾は打率.370で参加校中2位と打線も好調。

 本塁打数をくらべると、明徳義塾8本に対して智弁和歌山21本と3倍近い差がある。智弁和歌山はここに活路を見出したい。十八番の乱打戦に持ち込むためのキーマンがチームトップの8本塁打を放つ山本龍河(2年)。16-8で勝った近畿大会の準決勝、報徳学園戦では2回に左翼へ2ランホームランを放ち、打撃戦の口火を切った。明徳義塾から見ればこの山本を封じ込むことが勝利への近道になる。

 同じBブロックでは三重対智弁学園も面白い。智弁学園のチーム本塁打43は2位の龍谷大平安の29本をはるかに引き離す圧倒的1位。その牽引者になっているのが参加校中トップの22本塁打を放っている岡本和真(3年)だ。2位が吉岡郁哉(智弁学園)、高桑平士郎(豊川)の9本だから、22本は圧倒的と言っていい。

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