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香川真司、CL7戦で6出場の理由。
現地記者、チームメイトの信頼の声。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2014/02/26 12:20
ポゼッション率では上回ったものの、相手シュート数が12なのに対して、マンUはわずか6という……攻撃陣の活性化を託される香川への期待は大きい。
なぜ、香川真司はチャンピオンズリーグ(CL)でチャンスを与えられるのだろうか。
1月22日のサンダーランド戦以来公式戦のピッチから離れていたように、プレミアでの試合ではあまり出番のない香川だが、CLとなると状況は異なる。これまでも、CLでは十分なチャンスを与えられてきた。CLのグループステージ6試合のうち5試合に先発しており、そのうちの4試合で90分以上プレーしている。
オリンピアコスとの決勝トーナメント1回戦の1stレグでも、後半15分からの途中出場ではあったが、およそ1カ月ぶりにピッチに立つチャンスを得た。
もちろん、1月に加入したマタがチェルシーの選手としてすでに今シーズンのCLに出場しており、ユナイテッドの選手として今シーズンはこの大会に出場できないことも関係している。
プレミアよりも、CLの戦いの方が香川に向いている。
しかし――。
『マンチェスター・イブニング・ニュース』紙などに記事を書くアンディ・ミッテン記者が、日本の雑誌『週刊サッカーダイジェスト』で「KAGAWA MANIA」というコラムを寄稿しているのはご存じだろうか。同誌の2014年1月21日号の連載の中で、ユナイテッドのコーチであるフィリップ・ネビルが語ったこんなコメントを紹介している。
「私を含むコーチ陣は、シンジはチャンピオンズ・リーグの舞台で素晴らしい働きを見せてくれると考えている。プレミアリーグほど攻守の切り替えに速さがなく、ボールポゼッションが重視されるため、シンジは攻撃のキーマンになっているんだ」
オリンピアコス戦のあとに現場で、ミッテン記者に件の記事についてたずねると「この試合の彼のパフォーマンスについては、これから記事を書くからそのあとにしか話せないよ」と答えたものの、ネビルのコメントを紹介した理由についてはこう教えてくれた。
「私が知っているのは、彼が話したことだけだ。ただあのコメントを引用したのは、そこにインプレッションを感じたからなんだ」