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下馬評を覆したサンズ、
その健闘を支える“伝統”。
~NBAの名脇役がHCに~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2014/01/04 08:00

下馬評を覆したサンズ、その健闘を支える“伝統”。~NBAの名脇役がHCに~<Number Web> photograph by Getty Images

 チームにもDNAがある。たとえ選手が全員入れ替わっても、コーチやGM、時にはオーナーまでもが新しくなっても、世代を越えてチーム内で受け継がれていく何かがある。

 そんなことを思ったのは、今シーズンのフェニックス・サンズに懐かしさを感じたからだ。昔から、ガード主導のアップテンポで見て楽しいチームを作ることに長けたサンズだが、この数年、再建期に入り、チームのアイデンティティを失いかけていた。それが今シーズンになって、エリック・ブレッドソーとゴーラン・ドラギッチのポイントガード2人を同時起用し、スピードで試合を掻き回し、相手を翻弄するという、実にサンズらしいスタイルでの戦いを見せている。

 サンズらしさを取り戻した理由のひとつには、今季からヘッドコーチに就いたジェフ・ホーナセックの存在がある。'90年代にユタ・ジャズの選手だった時のイメージが強いかもしれないが、'86年にサンズにドラフト指名され、'92年にチャールズ・バークレーと交換でトレードに出されるまで6シーズン、サンズで活躍し、地元ファンの間では根強い人気がある。

「優勝はしていなくても、勝ってきた年月を強調したい」

 ホーナセックはコーチとして最も影響を受けた人物として、サンズ時代のヘッドコーチだった故コットン・フィッツシモンズをあげている。そして、そのフィッツシモンズのもとでケビン・ジョンソンと共に、ポイントガード2人でスターターとして試合に出たときの記憶が、今回の選手起用を選択させたのだとも言う。

「コットンの時代、ケビンと私がいっしょにプレーしていたときを思い描いている。ゴーランはサイズが私と同じぐらいで、私よりも速い。エリックはボールをすばやく運べて、力強く、高く跳べるという点でケビンによく似ている」

 開幕前にはリーグの最下位争いをすると見られていたサンズだが、この新システムが予想以上に成功し、12月17日現在、14勝9敗と勝率6割をあげている。成績以上にファンにとって嬉しいのは、誇らしく思えるチームが戻ってきたことだ。

「伝統自体は、どこにでもある」とホーナセックは言う。

「好運なことに、フェニックスにはすばらしい伝統がある。優勝はしていなくても、勝ってきた年月がある。そのことを強調していきたい」

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