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落合大減俸とポスティング問題。
今オフ2大騒動の本音とタテマエ。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/12/19 10:30

落合大減俸とポスティング問題。今オフ2大騒動の本音とタテマエ。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

大鉈を振るった落合GM。常々「プロ野球は契約社会」と語っていたが、監督時代の面倒見のよさとは全く異なる顔を見せた。

 今年のオフ、最も注目されたのは落合博満・中日GMが行った年俸削減と、NPB(日本野球機構)とMLB(アメリカ大リーグ機構)の間で取り交わされた新ポスティングシステムの話題だろう。

 今オフ、GM(ゼネラルマネージャー)に就任した落合氏は'04~'11年までの8年間、中日の監督としてリーグ優勝4回、2位からクライマックスシリーズを勝ち上がっての日本一1回と、名将の名をほしいままにした。当然、ほとんどの現役選手はその薫陶を受けているので、「きみには1億円の価値がない。その半分の5000万円で判を押してくれ」と言われたら「はい、わかりました」と頷くほかない。実際にそのような契約更改が行なわれた。主力選手の新年俸は次の通りである(以下の年俸額はすべて推定)。

岩瀬仁紀 3億7000万円 → 3億7000万円(□)
和田一浩 3億3000万円 → 2億5000万円(▼8000万円)
吉見一起 2億9000万円 → 1億7400万円(▼1億1600万円)
森野将彦 1億7000万円 → 1億7000万円(□)
浅尾拓也 2億2000万円 → 1億6500万円(▼5500万円)
谷繁元信 1億9000万円 → 1億3000万円(▼6000万円)
荒木雅博 1億7000万円 → 1億  200万円(▼6800万円)

FA制度が導入されて以降、選手の年俸は高騰している。

 この年俸削減の嵐の中、年俸2億5000万円だった井端弘和は3000万円を提示されたがこれを蹴り、自由契約となったのちに年俸4500万円で巨人に入団した。落合GMが敢行した年俸カットは約8億円。この金額はDeNAのチーム総額15億470万円の半額以上なのでどれくらい巨額かわかる。

 落合GMはひどい、という話をしたいのではない。'93年にFA(フリーエージェント)制度が発効して以降、選手の年俸は世の中の景気とは逆に右肩上がりを続けている。球団はチームを強くしたいから一流選手に高い年俸を払うが、選手の成績が少しでも低迷すれば容赦なくクビを切る。そういうドライにならざるを得ない経営事情を落合GMは極端な形で見せているにすぎないのだ。

【次ページ】 高まる年俸に、中堅選手が消える“空洞化現象”。

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