良血デニムアンドルビー、悲願の戴冠なるか。

　近親にトゥザヴィクトリー、サイレントディールなどがいる超良血。GIIを2勝している実績も能力の高さを物語っている。いつもスタート後に行き脚がつかず、後方からの競馬になってしまうので、直線の長い外回りコースは間違いなく歓迎材料だ。

　ほかの2頭の3歳、500万下、1000万下と連勝しているラキシス（父ディープインパクト）とディアデラマドレ（父キングカメハメハ）の勢いも怖い。特にディアデラは、母ディアデラノビアが気難しさを爆発力に結びつけていたように、カッとしたときにとてつもないパフォーマンスを発揮するタイプに見えるだけに要注意だ。

取捨がいつも難しいホエールキャプチャ、今回は？

　困るのは……なんて言うと馬に失礼かもしれないが、いつ走るのか見きわめるのが難しいホエールキャプチャ（5歳、父クロフネ、美浦・田中清隆厩舎）である。一昨年の牝馬三冠で2、3、3着となり、昨年のヴィクトリアマイルを勝っているように、実績面でも実力的にも紛れもないトップホースだ。しかし、ヴィクトリアマイルを勝ったあと5戦連続でふたケタ着順となり、「もう闘争心を失ってしまったのかな」と思わせておきながら、今年のヴィクトリアマイルでハナ差の2着に突っ込んできた。次走の札幌記念で14着に大敗し、「ヴィクトリアマイルはたまたま走ったんだろう」と油断していたら、つづく府中牝馬ステークスを好位から抜け出す正攻法で快勝した。

「牝馬らしい」と言ってしまえばそれまでなのだが、走るときと走らないときの差が大きすぎて、いつも評価に迷ってしまう。

　だが、陣営のコメントによると、ふたケタ着順がつづいていたころは状態が今ひとつで、今年のヴィクトリアマイル以降はいい具合をキープしているとのことなので、今回も「走る番」なのかもしれない。

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